Chris Cornell – Songbook (2011)

サウンドガーデン Soundgarden やオーディオスレイヴ Audioslave のフロントマンとして知られるクリス・コーネル Chris Cornell による2011年のライブアルバム。なんと全編、ギター一本によるアコースティック演奏です。同じグランジ勢として知られたニルヴァーナ Nirvana の Unplugged Live を彷彿とさせます。

いやー、これはすごい作品です。めちゃくちゃ聴きました。先述のニルヴァーナのカート・コバーン Kurt Cobain は、サウンドガーデンを評して「あんな奴らにかないっこない」と言ったという話をどこかで読んだ気がしますが、こんなすごい人が歌ってたんじゃあね。

楽曲はサウンドガーデン時代のもの、オーディオスレイヴ時代のもの、ソロ時代のものなどから幅広く取られています。意外とオーディオスレイヴ時代の曲が多いですね。アコースティック向けにアレンジがされていて、これまた原曲とは別の味があります。

クリスの歌声はとにかく、シャウトがすごいですね。静かに歌っている曲が中心だからこそ、逆に声を大きく張り上げた場面で、ロックシンガーとしての実力の深さが際立っている気がします。Tr.1の「As Hope And Promise Fade」やTr.3の「Call Me A Dog」あたりが顕著でしょうか。背筋がゾワっとします、本当に。

ライブテイクはTr.15の「Imagine」(言わずと知れたジョン・レノン John Lennon のカヴァー)で終わり、最後に一曲だけスタジオ録音されたTr.16「The Keeper」にてアルバムは幕を閉じます。

サウンドガーデンやオーディオスレイヴを好きな人にはマストの作品でしょう。作風はハードロックのそれとは異なりますが、クリス・コーネルがいかに偉大なシンガーだったかがありありとわかる一枚です。