経済的独立と早期リタイア(FIRE)への道

みなさん、早期リタイアしたいですかー? 私はしたいです。お仕事辛いんだもん。

さて、リタイアしたいとなったら、問題は何はともあれお金です。まあ退職後の生きがいとか、別の問題は存在しますが、先立つものがない限り何も始まりません。

「経済的独立 Financial Independence」という概念をご存知でしょうか。人に雇われて働いたりすることなく、自らの生活費を賄えるだけの収入がある状態を指しています。具体的には十分な額の資産を投資していて、不労所得で食っていけるような状態ですね。最近ではFIREムーブメント (Financial Independence, Retire Early) なんて言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。

不労所得というとアヤシイ感じがして、そんなうまい話はあるはずがない、と思われがちですが、合理的にリスクを取ることである程度の不労所得を得る方法は存在します。それも、不動産そのものを買うようなリスキーで手間がかかるものではなく、何かビジネスを始めるといった再現性のない(才能と運に大きく左右される)ものでもありません。

このあたりは以前、「簡単で確実な投資の方法とは」という記事を書きましたので、そちらを参照してみてください。要点は「過去200年間にわたる米国株式の実質リターンは年利にして7%程度だった」というところで、十分に国際分散した株式のインデックスファンドを投資信託で購入すれば、平均で年間数%のリターンは現実的に得られるという点です。株式のインデックス投資をする、これがポイントの一つ目です。

さて、多額の財産を相続してしまったりしない私たちにとって、投資のためのまとまった元本を積み立てていくというのはなかなか大変なことです。ここで大切になるのは次の式です。ただの引き算です。よーく見てみてください。

貯蓄できる額 = 収入 – 支出

簡単に言えば、収入を増やすか支出を減らすかする以外には貯蓄を増やす道はないんですね。ちなみにこの式がマイナスになっている人はそもそも貯蓄できていません。財産を食いつぶしています。今すぐ直しましょう。この式がプラスになっていると断言できない人も黄信号です。自分の収入と支出を厳密に把握することは貯蓄を進める上での大前提です。わからないものは改善できません。今すぐ記録をつけて計算しましょう。

さて、世の中にはここで「では収入を増やそう」という人がおり、それもある面で正解なのですが、収入というのは多分に運というものに左右されています。人生をうまく進めるコツは、自分にコントロールできることだけにフォーカスして、自分にコントロールできないことは上手に捨ててしまうことです。私はあえてここで支出にフォーカスすることをおすすめします。支出は自力でコントロールできます。支出を減らしましょう。無駄遣いをやめるのです。

あなたは時間を切り売りして、働いてお金を得ています。時間とはあなたの人生を分割したものです。つまり、お金とはあなたの命を分割したものです。マジで節約しましょう。支出を減らすこと、これがポイントの二つ目です。

ポイントが二つ出てきましたね。株式のインデックス投資をすること、支出を減らすこと。私はこれがふつうの人間にできる唯一の経済的独立への道だと思っています。はっきり言ってめちゃくちゃ地味です。個別株を買って大きく当てる? 副業を不労所得のビジネスへと成長させる? そういう華々しい話はガン無視してください。粛々と株式インデックスを買い続けるのです。粛々と節約生活を続けるのです。

この道のりでは、表計算ソフトなどを上手に使用するとよいでしょう。毎月の収入と預金残高がわかっていれば、レシートなどでいちいち支出を記録していなくても、毎月の支出額は計算式で出すことができます。毎月の収入、支出、預金残高、株式資産残高を記録して、資産残高が着々と増えていく様子を眺めましょう。

毎月の支出が把握できれば、必要な年間の生活費が把握できるはずです。必要な年間生活費と株式の年間想定リターンがあれば、割り算で「必要な総株式資産額」が逆算できます。それがあなたのゴールです。たとえば年間生活費が300万円で株式の年間想定リターンが5%なら、300÷0.05=6000で6,000万円があなたのゴールです。これは夢物語でしょうか? 私はそうではないと思います。

二つのポイントを繰り返しましょう。株式のインデックス投資をすること、支出を減らすこと。やっていく気が起きましたか? やればできるはずです。やっていきましょう。