Budgie – Never Turn Your Back On A Friend (1973)

イギリスのウェールズ出身のハードロックバンド、バッジー Budgie による1973年の3rdアルバム。バンド名のバッジーとはセキセイインコの意味で、彼らのアルバムジャケットはほとんどが鳥をモチーフとしたものです。

1970年代後半のイギリスのメタルシーンでは NWOBHM (New Wave Of British Heavy Metal) というムーブメントが起きましたが、それらのバンドの先駆者として多大な影響を与えたと言われるのがバッジーです。

「友情」という邦題がついた本作ですが、バッジーの作品の中では入門編にちょうどいいと思います。1stの「Budgie」(1971)、5thの「Bandolier」(1975)あたりも非常にいいのですが、本作の1曲目「Breadfan」の破壊力には勝てませんからね。

「Breadfan」は攻撃的なギターリフでぐいぐい引っ張っていく名曲で、このリフは一度聴いたら忘れられませんね。この曲はメタリカ Metallica のカバーでも知られていて、また日本のロックバンドである人間椅子は「針の山」のタイトルで日本語歌詞をつけてカバーしています。

さらに別アルバムの曲にまで目を広げると、バッジーの曲はアイアン・メイデン Iron Maiden やヴァン・ヘイレン Van Halen などにもカバーされています。バッジーの名前自体は一般的には比較的マイナーですが、こうした大御所からのカバーを見ると、このバンドはけっこうミュージシャンズ・ミュージシャン(ミュージシャンからリスペクトを集めるミュージシャン)の側面があるかもしれませんね。

バッジーはスリーピースのバンドで、中心人物はベース兼ヴォーカルのバーク・シェリー Burke Shelley です。成功したスリーピースバンドの例に漏れず、このバンドもギター・ベース・ドラムスのそれぞれがしっかり主張してきて、面白いサウンドを聴かせてくれます。本作のラストに収録された10分超の大作「Parents」などはその好例だと思います。

とにかく一度聴いてみて「Breadfan」にやられてください。話はそれからです。