20世紀が生んだ最大のロック・バンド、ザ・ビートルズ The Beatles。彼らについて解説する記事はおそらく星の数ほどあるでしょうが、ここでは入門盤にふさわしいと思われる作品を3枚、あえて選んでみようと思います。
バンドメンバーはジョン・レノン John Lennon(ギター)、ポール・マッカートニー Paul McCartney(ベース)、ジョージ・ハリスン George Harrison(ギター)、リンゴ・スター Ringo Starr(ドラムス)の4人です。
A Hard Day’s Night (1964)
初期の代表作、1964年のアルバムです。彼らの初期の作品はロックンロールのスタンダードナンバーをカバーした曲なども含まれていますが、彼らにとって3枚目のアルバムである本作は、初めて全曲オリジナル曲のみで構成されています。
ジョンとポールが交わした約束により、どちらか一方が書いた曲でも「レノン=マッカートニー」という両名のクレジットになっているビートルズの楽曲ですが、本作ではジョンのヴォーカル曲が多いですね。
「A Hard Day’s Night」「And I Love Her」「Can’t Buy Me Love」といった代表曲が並びますが、「Any Time At All」「I’ll Cry Instead」といった佳曲も目立ちます。
Rubber Soul (1965)
中期の名盤、1965年のアルバム。本作では彼らのソングライティングの能力が最も鮮やかに表れていると思います。ジョージ・ハリスンの曲が目立ち出すのもこの頃からでしょうか。
「Norwegian Wood (This Bird Has Flown)」「Nowhere Man」「Michelle」「In My Life」と、彼らの代表曲が目白押しです。いわゆる捨て曲というのが無いのがビートルズの作品ですけれども、このアルバムは他にも「You Won’t See Me」「Run For Your Life」といった素晴らしい曲が収められています。
ビートルズの聴くならまずこのアルバムから、と言ってしまってもよいのではないでしょうか。
Abbey Road (1969)
後期の傑作、1969年のアルバム。メンバー全員が横断歩道を渡っているジャケット写真でも有名ですね。
「Come Together」「Something」「Here Comes The Sun」と、本作も彼らの代表作が続きますが、今ここに挙げた3曲のうち後ろの2曲はジョージ・ハリスンの手による曲なんですね。バンドの人間関係は悪化していたようですが、各メンバーの魅力は十分に表れていると思います。
アナログ盤のB面に相当する後半部分は多くの曲が繋がったメドレーになっていて、このメドレーも高い評価を受けています。3人によるギターバトルやリンゴによるドラムソロなども含まれていて、ビートルズの新しい一面が見えているアルバムです。
おわりに
幸いにも現代では定額聴き放題の音楽配信サービスの登場や、彼らの全キャリアを網羅したベスト盤「1」のリリースなどにより、ビートルズの音楽に触れることは昔よりもより容易になりました。
ベスト盤もいいですが、やはりバンドの魅力はオリジナル・アルバムに表れるものだと思いますから、この機会にぜひ彼らの作品に触れてみてほしいなと思います。