カナダの天才的ピアニスト、グレン・グールド Glenn Gould による1971年の作品。タイトルは「A Consort of Musicke bye William Byrde & Orlando Gibbons」と表記揺れがあるようです。
グールドというとバッハのレコーディングの印象が強いピアニストですが、この作品はグールドが特に好んだと言われる二人の作曲家、ウィリアム・バード William Byrd (1543?-1623) とオーランド・ギボンズ Orlando Gibbons (1583-1625) の鍵盤作品を収録したものです。
ともに16世紀から17世紀を生きた、イギリスのルネサンス期の作曲家です。Wikipedia にバード、ギボンズの項目があるのでそちらを参照してみるのもよいでしょう。
このアルバムはアナログ盤のA面に相当する前半4曲が特に素晴らしいです。傑出しているのは3曲目に収録されたギボンズの「Alman. or Italian Ground」で、対位法の非常に美しい一曲です。これ一曲のためだけにアルバムを買い求めても損はない、と言ったら言い過ぎでしょうか。
全体的にリラックスして聴けるピアノ音楽だと思います。グールドは「ゴルトベルク変奏曲」のようにいかにも才気がきらめいているようなレコーディングもいいんですが、こうした落ち着いた作品もいいですね。