Kraftwerk – Remixes (2020)

ドイツのテクノ・ゴッド、クラフトワーク Kraftwerk が2020年にデジタルリリースしたリミックス・アルバム。既発のリミックス音源をまとめたものですが、19曲入りで2時間7分の大ボリュームです。

Tr.1-5は1991年の「THE MIX」時代のリミックスですね。「Non Stop」は「Music Non Stop」、「Robotnik」「Robotronik」は「The Robots」のリミックスです。「Kling Klang Mix」の「Kling Klang」とは彼ら自身のスタジオである「Kling Klang Studio」から来ていて、彼ら自身によるリミックスであることを示しています。

Tr.4の「Radioactivity (William Orbit Hardcore Remix – Kling Klang Edit)」はかなり強烈なサウンドですね。既発音源とはいえ、Tr.1-5についてはこのアルバムで初めて聴く方が多いのではないでしょうか。いずれも面白いものばかりです。

Tr.6-8は2000年にリリースされたシングル「EXPO 2000」に収録されていた曲たちです。同年のドイツのハノーヴァー万国博覧会のテーマソングとなった曲ですね。ちなみにメインテーマ扱いでRadio Edit等もリリースされたのは、Tr.6の「Kling Klang Mix 2000」です。

Tr.9-14は「EXPO 2000」のリミックス集で、2001年に「EXPO REMIX」としてCDリリースされています。テクノユニットの UR (Underground Resistance) がかなり多くのリミックスを手がけていて、これがなかなか素晴らしい出来です。Tr.11はURの一員である DJ Rolando によるリミックスで、ダンサンブルで特に聴きごたえがあります。

Tr.15-17は2004年にシングルでリリースされた「Aerodynamik」からのリミックスです。アルバムで言うと2003年の「Tour De France Soundtracks」の時期の曲ですね。Tr.16の「Aéro Dynamik (Alex Gopher / Etienne de Crecy Dynamik Mix)」なんかはかなりアグレッシヴなサウンドになっています。

Tr.18-19は2007年にシングルでリリースされた「Aerodynamik + La Forme Remixes」からで、Hot Chip によるリミックスです。これもなかなか面白いサウンドです。

クラフトワークの楽曲の多彩なリミックスを聴くことができる本作ですが、同じ曲のリミックスが続いて収録されていたりするので、シャッフル再生してみたほうがより楽しく聴けるのではないでしょうか。ファンにはおすすめの一枚です。