Pat O’Connor – The Green Mountain (2000)

アイルランドのクレア County Clare 出身のフィドル奏者、パット・オコナー Pat O’Connor による2000年のアルバム。これは相当渋いです。アイリッシュ・フィドルに興味のある方には一度は聴いていただきたい名盤ですね。

1セット目の Reel「Strawberry Blossom / Boil The Kettle Early」から彼の世界に一気に引き込まれますが、フィドルの弓が弦に少し引っかかるような独特の響きを見せています。このアルバムの多くの曲で、彼はフィドルを一音下げでチューニングして弾いているらしく(つまりGの曲をFで弾いている感じです)、弦のテンションが変わって響きが変わっているのかもしれません。

2セット目の「Bobby Casey’s」もめちゃくちゃに渋いです。曲目は主に Reel が中心となっていますが、4セット目の Air「Lonely Banna Strand / Boston Burglar」、14セット目の March「O’Sullivan The Great」なども非常に美しいですね。それから各セットを見てみると、ギターの伴奏が控えめながらもなかなかいい味を出しています。

パットのアルバムには、他にも2004年の「The Humours Of Derrybeha」などが存在します。またマルチプレーヤーの相方、オーイン・オサリバン Eoghan O’Sullivan との2009年の作品「Conversation At The Crosses」も名盤と言えるでしょう。オーインはボタンアコーディオン、フルート、ギターを演奏し、パットの演奏に対して多彩な味付けを見せています。