[書評/要約] 八木仁平 – 世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方

私が人生で迷子になっていると感じたときに読んだ、「『やりたいこと』の見つけ方」という本です。一見するとややライトな自己啓発書に見えますが、ただの自己啓発書ではないのは、その「見つけ方」を比較的具体的なメソッドに落とし込んでいるという点です。

本書の中心的なメソッドは、なぜ仕事をするのかというWhy、何の仕事をするのかというWhat、どうやって仕事をするのかというHowによるWhat×How×Why(何をどうする。それはなぜ)という方法で本当にやりたいことを見つけるという点にあります。この5W1Hによる分解というのは目新しいものには見えないかもしれないですけれども、著者はこの言い換えが上手いです。どう言い換えているかというのを次に説明しましょう。

Whatは「好きなこと」で「情熱」のエリアです。コンピュータに興味があるだとか、ファッションが好きだといったことですね。Howは「得意なこと」で「才能」のエリアです。論理的に考えることであったり、リーダーシップを取るのが上手いといったことです。Whyは「大事なこと」で「価値観」のエリアです。挑戦的な課題をこなして自己成長する、人の面倒を見て育てるといったことです。本書ではこの「情熱」「才能」「価値観」の重なる領域を見つけて仕事にせよと述べています。これはWhat、How、Whyの言い換えですが、こちらのほうがとても分かりやすいのではないでしょうか。

本書には、これらの3つの領域を見つけ出すための問いかけやヒントが数多く載せられています。巻末には自分自身の「情熱」「才能」「価値観」を見つけるための「30の質問」が合わせて90問載っていますし、それぞれの「100の例」として300個ものリストが載せられています。このリストの多様さはおそらく、著者が数多くのさまざまなクライアントの問題解決をしてきたという裏付けにもなっているのではないでしょうか。

これから進むべき道に迷っている学生さん、また「自分の人生、本当にこれでいいのか」といった悩める社会人にもおすすめできる本です。