Downtown Swingaz (呼煙魔, 雄火, I-SET-I) – Echelon (2019)

“北関東”茨城県水戸市出身のヒップホップクルー、 ダウンタウン・スウィンガズ Downtown Swingaz。トラックメイカーの呼煙魔(コエンマ)、ラッパーの雄火(オビ)とI-SET-I(アイ セット アイ)によるユニットです。本作は1stの「ERASER HEAD」(1996年)から3年ぶりの2ndになります。

呼煙魔はMCバトルシーンでは有名なMPCプレーヤーで、ご存知の方も多いでしょう。戦極MC BATTLEのバトルビートの担当などで知られています。雄火とI-SET-Iはそれぞれソロアルバムもリリースしているラッパーです。

このアルバムでビックリなのは、ラッパーの雄火の存在ですね。まず声質がめちゃくちゃ渋いです。ときおり早口で短いフレーズにリリックを詰め込むスタイルも印象的です。私はこの雄火の存在をMOL53の名盤「ANTITHESIS」収録の「Operation feat. Downtown Swingaz」で知ったのですが、これだけ個性的なラッパーは全国を見渡してもなかなかいないのではないでしょうか。

トラック単位で見るとTr.3「Burn」、Tr.7「Platform feat. QLIP, WOODSMAN」あたりが秀逸ですね。収録曲は全12曲で37分と、ほどよく聴きやすい点もいいです。

ジャパニーズ・ヒップホップの現在を知ることができる好盤と言えるでしょう。