イギリスのマンチェスターを拠点に活動するダブ・テクノのプロデューサー、アンディ・ストットAndy Stott。Modern Love レーベルから複数の作品をリリースしています。
日本語での情報は少ないですが、ダブ Dub という音楽を語る上では重要なアーティストなのではないでしょうか。そんな彼の作品を紹介してみましょう。
Passed Me By – EP (2011)
ディープでかなりアブストラクト(抽象的)な音像です。警告音のように聞こえるシンセのサウンドから始まるのが象徴的。深くエフェクトのかけられた音色は冷たいながらも美しく、ダブってこんな音楽なんだな、と気づかせてくれる名盤です。
We Stay Together – EP (2011)
こちらも「Passed Me By」に近い音響が聴ける良盤。ディープでミニマルな世界です。ちょっとインダストリアルな印象も受けますね。
Luxury Problems (2012)
このアルバムでアンディは少し音楽性を変えます。冒頭の曲では深くエフェクトのかかった女性ヴォーカルが複数重ねられています。2曲目も女性ヴォーカルを含む曲ですが、ややビートが前面に出ています。全体的に女性ヴォーカルの印象が強いアルバムです。
Faith In Strangers (2014)
ジャケットとアルバム冒頭の音色が呪術的です。1曲目はアンビエントな感じですね。2曲目はシンセの音色と女性ヴォーカルが入りますが、音と音の間の空間が意識される音作りとなっています。全体を見ると、ビートのある曲とない曲のメリハリがある作品です。タイトル曲がミニマルながらもちょっとポップなところが、新規軸という感じもします。
Too Many Voices (2016)
このアルバムもそうですが、Modern Loveレーベルの作品はジャケットが美しいですね。2曲目など、ヴォーカルをメインに据えた曲が比較的多い印象です。1曲目や3曲目などのキラキラしたシンセの音色も目立ちますね。5曲目の音をカットしてつぎ合わせたような音作りは見事。
It Should Be Us (2019)
ディープでミニマルな世界観は相変わらずですが、このアルバムは特にメロディの良さという点で、過去になく聴きやすい作品です。前作までが聴きにくいというわけではないのですが。明るい音色に軽快なビートが聴かれる曲もあり、入門盤には最も適しているかもしれません。