インデックス投資と複利効果のシミュレーション

投資の中でも、長期に渡って株式市場のほぼ全体を保有し、複利効果で安定的に大きなリターンを狙うインデックス投資。かのアインシュタインは「複利は人類による最大の発明だ」と述べたそうです。

私は以前、インデックス投資の有用性を「簡単で確実な投資の方法とは」という記事で書いたことがあります。また、個別株等で大穴を狙うべきではないということも「アクティブ投資とパッシブ投資、どっちがいいの?」という記事にて触れました。

インデックス投資における現実的なリターンは年利にして数%(10%に届かない程度)ですが、それでも長期間保有することによって発生する複利効果の大きさには恐るべきものがあります。

では、データを見てみましょう。これから見るデータは現実の株式インデックスが過去に残したデータで、該当するインデックスファンドが存在していれば実際に実現し得るデータです。

データは全世界株式のものにしましょう。「MSCI World Index」という全世界株式のインデックスを使用するものとします。

この記事を書いている2021年2月18日時点での実際の成績を元に、「100万円を投資していたらいくらになっていたか」を期間別に見ていってみましょう。

期間 [年]平均年利 [%]リターン [万円]
111.4111
37.6125
510.9168
1012.9337
156.8268
205.9315
307.5876

30年間運用した場合は100万円が876万円になっていた計算になります。これはインデックス投資が比較的容易な投資手段であることを考えると、驚くべきリターンであると言わざるを得ません。

表の数字をよく見ると、年次のリターンのばらつきによって、必ずしも年数に対してリターンがまっすぐ伸びていくわけではありません。たとえばこの表では、10年運用していたケースより15年運用していたケースのほうがリターンが少なくなっています。これはリターンの悪かった年が追加の5年分の運用期間に含まれていたということを示しています。(2008年のリーマンショックの影響でしょう。)

リターンのばらつき、つまりスクについてはゼロにすることはできませんが、あまり心配することはありません。ジェレミー・シーゲル教授の著書「株式投資」によると、株式のリターンは運用期間が長くなればなるほどリスク(標準偏差)の値が小さくなるという特徴を持つことが明らかにされています。

それにしても30年という期間はなかなかの期間ですね。投資を始めるのは、基本的には若ければ若いほどいいです。あなたがこの記事を読んでいるということは、投資全般や株式投資について何らかの興味があるということでしょう。できればなるべく早めに、株式のインデックス投資について勉強を始めることをおすすめします。