うつ病での休職期間の過ごし方

うつ病で休職となってしまったものの、何をして過ごせばいいのか分からない…そんな人に向けて、いくつかヒントを書いてみたいと思います。

焦って何かをする必要はない

あなたがなぜ休職しているのかというと、身体を休めるためです。「休むために休んでいる」なんて当たり前のことですよね。でも、これがけっこう忘れられがちです。休職の初期などは、病気の症状として焦燥感も強いため、「何かしなければ」と思ってしまうんですね。

あなたが休職し始めたばかり、具体的には半月や1ヶ月しか経っていないとしたら、最も優先すべきなのは身体を休めることです。無理せずできること、好きなことだけをして過ごしましょう。

ひょっとしたら、「何かしなければならない」という気持ちが強い一方で、「何かを始めるとすぐに気分が悪くなってしまう」という状況を抱えられているかもしれませんね。焦燥感と体力の低下というのは、病気の初期によく同時に起きる状態です。安心してください。同じような状況を経験している人は数多くいます。

少し余裕が出てきたら

「何かしなければ」という義務感や焦燥感ではなく、「何か物足りないな」と感じるようになってきたら、おそらくあなたは順調に回復しています。次のステップです。

さて、人間は身体や頭を実際に動かすことでやる気が出るという仕組みでできています。やる気が出たあとに行動するのではなく、とりあえず行動するからやる気が出るのです。何かスイッチを入れる行動が必要なんですね。

私がおすすめしたいのは、ベタですが散歩です。それもなるべく長い距離を歩くことをおすすめします。まずは少しなまってしまった身体を再び動かし始めるのです。

一般的にうつ病を経験すると外界からの刺激により疲れやすくなるものですが、散歩では光や音などのさまざまな刺激が入ってきますので、自分の疲れ具合が把握できます。散歩して疲れ具合を見てみましょう。ぐったりしてしまうでしょうか、それとも少し休んだらまた別の何かをしたいという意欲が出てくるでしょうか。

もし散歩でぐったりしてしまうこともなく、先述したようなやる気のスイッチとしての効果が実感できるようでしたら、あなたはさらに回復しています。散歩して、そのあとさらに何か別の行動をするという習慣を作ってみましょう。

別の行動としては、仕事関係の勉強などがよいでしょう。身体と頭を両方使うようにするのです。ちなみに仕事関係のトピックに拒否感があるようでしたら、無理にやる必要はありません。自然な意欲が出てくるようになるまで、何か別のことをしていたほうがいいでしょう。無理に慣れさせるという方法でうつ病が治ることは基本的にありません。

さらに余裕が出てきたら

私は以前「うつ病の休職期間と復職の目安は?」という記事を書いたことがあります。復職の目安についてはそちらに記述させていただきましたので、よろしければ参照してみてください。

復職の目安にも書いたように、最終的な目標は通勤電車に乗ることができ、図書館で勉強するなど、仕事のようにある程度集中した状態を丸一日維持できることです。それを平日毎日続けるようになれることです。

うつ病の回復は段階的なものなので、ゆっくりで大丈夫です。電車だったら、いきなり通勤電車に乗るのではなく、平日の昼間などの空いている時間に乗って身体を慣らしてみる。図書館で勉強する時間も、最初は一日一時間として少しずつ伸ばしてみるなどです。

おわりに

うつ病による休職というのは、案外本人にとっては初めてなことだらけで大変なものです。私はうつ病関係の記事で繰り返し述べていますが、うつ病の治療は長期戦です。焦らずじっくり治していきましょう。

あなたの病気がどうかよくなりますように。