うつ病にサプリをおすすめしない理由

うつ病になってしまった。もしくは、うつ病になってしまったのではないかと疑問に思っている。そんなとき、サプリメントは役に立つのでしょうか。今回はその辺りについて触れてみたいと思います。

まず向かうべきは標準的な医療

もしかして精神科や心療内科への受診に抵抗があって、サプリで治せれば治したいと思っているのでしょうか。悪いことは言いません。まずは病院、クリニックに向かってください

「ウツっぽいかもしれないがはっきりとは分からない」といった微妙な状態なのでしょうか。それでも結論は変わりません。向かうべきは精神科医学の専門家であって、サプリではありません

私は医療従事者の知人がこのように言っていたことを覚えています。「医学的に効果が認められていれば医薬品になるはずで、効果が立証されていないからこそサプリはサプリなのだ」。これは本質を突いていると思います。

精神科に限らず、医療で使われている薬というものは、その安全性と効果について膨大な量のエビデンス(証拠)に支えられています。サプリにはそのようなものがないのです。

その理由に向き合おう

あなたはなぜサプリを検討し始めたのでしょうか。おそらくその理由に向き合う必要があるでしょう。

精神科や心療内科にかかることに心理的な抵抗がありますか。メンタル不調は誰でもかかり得る病気です。自分だけは風邪を引かない、自分だけはガンにならない、といったことはあり得ないでしょう。メンタル不調も同じです。精神科や心療内科を特別な受診科だと思う必要はありません。

それともあなたは既にメンタル関係の薬を飲んでいて、それでも効果がないと感じているからでしょうか。この辺りは私が以前書いた記事「うつ病の薬が効かない! そんな時は…」を参考にしてみてください。たまたま合わない薬を飲んでいたり、まだ十分に効果が出るだけの時間が経っていないだけかもしれません。お医者さんと相談してみましょう。

あるいは、今までにかかった医療関係者に不信感を抱いてしまっていますか。残念ながら、人間は神様ではないので、あまり腕の良くないお医者さんや、性格的な面であなたと相性の悪いお医者さんも存在します。そんなときは転院を検討しましょう。このようなケースでは運が悪かったと言えますが、それでも精神科医という専門家にかかること自体を諦めてしまわないようにしましょう。

もしかしたら、あなたは病気が治るということに対して絶望してしまってはいないでしょうか。私はうつ病関係の記事で繰り返し述べているのですが、うつ病の治療は長期戦です。どうか諦めないでください。うつ病は服薬と休養で必ずよくなります

おわりに

あなたがうつ病関係の情報をワラにもすがる思いで検索しているとき、ひょっとしたら「魔法のようにうつ病がよくなる」という情報を目にするかもしれません。

残念ながらそれは、弱ったあなたを食い物にする悪質な商売であるかもしれません。どうか専門家を頼って、信頼のおける情報だけを吟味するようにしてください。

では、あなたの体調が早くよくなりますように。