うつ病で死にたいと思った時は – 希死念慮への対処

うつ病は一人の人が立ち向かうにはあまりにも強大な病気です。ときには「死にたい」と思ってしまうこともあるかもしれません。そんな希死念慮について考えてみます。

とにかくやり過ごす

希死念慮に理屈は通用しません。私たちはなぜ生きているのか? なぜ生きなければならないのか? 哲学的な話になりますが、そこに確固たる根拠のある理由は存在しないからです。

もし理由が存在するとしたら、それはあなたの周りにいる人があなたに死んでほしくないと思っているということです。おそらくあなたの家族、友人などはあなたのことを大切に思っています。仕事でほんの少しの付き合いがあっただけという程度の人でも、あなたが死にたいと思っていることを知ったら、おそらく死んでほしくないと思うことでしょう。

とにかくやり過ごしてください。死にたいという気持ちをやり過ごすのです。今はどこにも出口が見えないように感じられるかもしれません。しかし、うつ病は服薬と休養で回復します。確かに時間はかかります。苦しい時間が長く長くかかります。それでもうつ病は回復する病気なのです。

人生を見直す

うつ病になってしまったということは、何かがあなたに過大な無理を強いたということを示唆しています。それは仕事上のストレスだったのかもしれませんし、幼い頃から身につけてきた生き方にどこか無理が来てしまったからなのかもしれません。

おそらくあなたは、何らかの意味で生き方の転換を迫られることになると思います。それは職業的なキャリアチェンジということで訪れるかもしれませんし、「私はなぜ生きるのか」という哲学的な探究に向かうのかもしれません。

私は以前、人生の意味や生き方の転換について、以下のような記事を書いたことがあります。よろしければこちらも参考にしてみてください。

おわりに

あなたの希死念慮は、病気の症状によるものであるかもしれませんし、あらゆる人間が探求しなければならない人生の意義に対する問いかけなのかもしれません。実際には、その2つが混じり合ったものであることが多いでしょう。

病気の症状としての傾向が強い場合は、とにかく休養を優先することが大切です。そして生きるということにエネルギーが湧いてきたら、改めて自分の人生の意義ということについて考えてみるのもよいでしょう。

あなたが人生の意義に目覚めたとき、「死にたい」という気持ちは姿を消すかもしれません。私はあなたがうつ病という苦しい経験を通して、人生に何らかの意義というものを見つけてくれることを望んでいます。