投資家の基本姿勢 – リスクとどう向き合うのか

私は全世界株式への長期のインデックス投資をメインとしている個人投資家です。我々個人投資家は、リスクというものにどう向き合っていけばよいのでしょうか。今回はその辺りについて触れてみたいと思います。

長期の視点を持つ

最初に大切にすべきなのは、長期の視点を持つということです。ここで言う長期とは、3年や5年といったレベルの話ではありません。30年や50年といったレベルで考えるということです。

私が本ブログでたびたび触れているジェレミー・シーゲルの著書「株式投資」によると、過去200年間の米国株式市場のデータでは、20年間の保有期間を持てばリターンがマイナスになる期間はなかったという結果が出ています。

不確実な動きをするように見える株式市場も、それくらいの長期の視点を持てば、リターンを得られるのはほぼ確実だということです。逆に言えば、ほぼ確実なリターンを狙うにはそれくらいの長期の視点が必要だということです。

日付単位、月単位のマイナスなどまったく気にしないことです。年単位でマイナスになったとしてもそれほど気にする必要はありません。そういう年は定期的に訪れます。

株価が高騰したとしても、やはり気にしないことです。上昇も下落も気にしないということです。この辺りについては、以下の記事でも触れるところがありました。

データを根拠にする

先に触れたシーゲルの著書では、過去200年間に渡る米国株式市場の実質平均リターンは約7%であったということが明らかにされています。この辺りは過去に以下の記事で詳しく触れました。

シーゲルの研究で明らかにされたもう一つの興味深い点として、平均への回帰という現象が挙げられます。これは債権やゴールドなどの他の資産には見られない現象で、株式市場のリターンというのは約7%という数字を上回る期間が続くと下落が起き、下回る期間が続くと上昇が起こるのです。

結果的に、対数目盛りで株式市場のリターンをグラフに書くと、あたかもギザギザの線を貫く一本の直線が見えるかのような結果になります。これが平均リターンである約7%という数字のラインです。短期的にはギザギザの線を描く株式市場のリターンも、長期的にはこの平均線に従って伸びていくのです。

株式投資を行うにあたってはこうしたデータを根拠にしましょう。バブルは起こりうる。暴落も起こりうる。しかし、株式市場のリターンは平均へ回帰する。これがデータの示したところです。データを信じましょう。

仕事として受け入れる

本質的に、投資家の仕事というのはリスクを引き受けるということです。暴落する相場の中で資産を持ち続けるということは、いかにも大変なことです。しかし、それが我々の仕事です。リターンを得るための仕事なのです。

この辺りについては以下の記事で触れましたので、こちらも参照してみるとよいでしょう。

複利のマジックを意識する

これは「長期の視点を持つ」の補足です。あなたが株式市場にとどまる期間が長ければ長いほど、そのリターンは莫大なものになる可能性があります。リターンはすぐに受け取ることはできません。複利のマジックがかかるには、長い時間がかかるからです。

この点については以下の記事でも具体的に触れていますので、参照してみるとよいでしょう。

おわりに

投資という不確実な世界と付き合うためにヒントとなるポイントについて、いくつか触れてみました。

うまく付き合うことさえできれば、投資というのは私たちの資産形成を進める上で極めて強力な味方となってくれます。あなたがリスクと上手に付き合い、長期的なリターンを手にしていくことを願っています。