R. Morse & Co. の Céilí コンサーティーナの修理

THE BUTTON BOX のサイトで購入した R. Morse & Co の Céilí コンサーティーナ。エンドの内部にフェルトのパーツが脱落していたのが見つかったため、修理を行いました。

なお、より一般論としての修理方法については過去の記事「コンサーティーナを修理するには」で詳しく触れていますので、そちらも併せてご参照ください。

修理開始!

上の写真では影になっていてほぼ見えませんが、装飾の隙間から見えるエンドの内部に「フェルトのかけら」が落ちているのを見つけました。(正確には、しっかり見なかったので素材が本当にフェルトだったのか確信が持てませんが、ここではフェルトと仮定して記述することにします。)

では、写真の右上に写っているマイナスのネジを外していきましょう。6点のネジを外すと、木製のエンドを取り外すことができます。

木製のエンドを取り外した様子です。フェルトのパーツが脱落しているのが見つかりました! どうもこれは、黒いボタンと金色のバーが接触する部分にくるんと巻いてあったもののようです。どのボタンから脱落したのか探してみましょう。

見つかりました! エアボタンのところにフェルトのパーツがありません。ここから脱落したもので間違いないでしょう。ボタンを取り外してみます。

ボタンを取り外して、金属のバーに脱落したフェルトのパーツを巻き直した様子です。フェルトを巻きつける際には、普通の文房具屋さんで売っているノリを使用しました。(白い修正テープと同じ仕組みになっているタイプのノリを使用しています。)

無事、フェルトのパーツが元に戻りました! あとはエンドを取り付け直せば修理完了です。

もっと内部を修理したい人へ

この記事で取り扱ったのは、エンドを取り外してアクションボックスの内部を修理するというものでした。しかし、この記事を読んでいる人にはもっと内部のリードを清掃したいなどの場合があるかもしれませんね。

その場合ですが、ぱっと見で問題にぶち当たります。この記事に載せた写真で木製のプレートがむき出しになっている状態が見えますが、この木製のプレートを取り外すためのとっかかりが見つからないのです。

ありがたいことに、Twitterでこの疑問をつぶやいたところ、製造元に問い合わせてくださった方がいました。この木製のプレートですが、端っこの段差に指先をかけて少しずつ外していくしかないそうです。ちょっと取り外すのは大変そうですね。

メーカー掲載の写真でも分かりますが、プレートの内部にはアコーディオンリード蜜蝋で接着されています。そのためリードの片側は木製のプレートを取り外すだけであらわにすることができますが、もう片側のリードをメンテナンスするにはハンダごてなどで蜜蝋を熱してリードを取り外す必要があります。これには少し専門的な技術が必要でしょう。

この辺りはアコーディオンの修理を行っている工房など、専門家にお願いしたほうが確実かもしれませんね。

修理完了!

以上、R. Morse & Co の Céilí コンサーティーナの修理の様子をお届けしました。

途中で書きましたように、Céilí コンサーティーナは軽量であるという長所とのトレードオフで、蜜蝋の存在によりメンテナンスがやや難しいという点が存在しています。トラブルが発生した際は自分だけで修理が行えない場合がありますので、注意しましょう。

それではみなさん、楽しいコンサーティーナライフを!