うつ病で不安な気持ちにどう対処するか

うつ病で不安な気持ちに押しつぶされそうなとき、どう対処したらよいのでしょうか。今回はうつ病と不安の対処法について考えてみます。

不安になって当然ということ

まず認識しておくべきことは、あなたは不安になって当然だということです。もしあなたのうつ病が初めての発症の場合、おそらく初めてのことだらけだと思います。

怪我や病気で会社を長期間休むということは、きっと初めてでしょう。病気で自宅で療養生活をするというのも、初めてのことでしょう。何より病気でなんにもできなくなるというのは前代未聞の出来事です。

普通、環境の変化というものは健康な人でもそれなりに負担になるものです。ましてや、あなたは極めて健康状態の悪い状態でその変化に当たっているのです。不安になるのも当然のことです。

そして病気の治癒というのは、いつになるか分かりません。期限が区切られていないこと、目処が立たないことに対して不安になるというのは、これもまた人間として当然の反応なのです。

不安は症状でもある

不安はそうした外部の状況が起こさせるものであると同時に、病気の症状そのものでもあります。つまり、仮にこれといった根拠がなくても不安になってしまうのがうつ病という病気なのです。

不安は便宜的にふたつに分けることができます。「私の人生はこの先どうなってしまうのか」「私のキャリアはどうなってしまうのか」という不安は、病気という状況こそ特殊ではありますが、ある意味ではこの世で生きる人間が誰もが悩まなければいけないものです。「私の人生、こんな生き方でよかったのだろうか」と思うこともあるでしょう。これは人間という存在の根源的な不安、人生における不安と呼べると思います。

もうひとつの不安は、病気の症状が起こす不安です。これは先のものより、もう少し理由が漠然としていて、しかし強烈な不安となって襲ってくることがあります。理由を説明しようとしてもうまくいきません。とにかく不安で仕方がないのです。眠れない夜などに、これに悩まされている人もいるかもしれません。

実際には、うつ病の人が襲われる不安というのは人生における不安と症状としての不安の混合です。両方がごちゃまぜになって襲ってくるのです。

長期的な対処法

これには一応、セオリーというものが存在すると思います。まず症状としての不安を潰しましょう。そのあとで人生における不安と向き合うのです。

あなたは抗うつ薬と一緒に抗不安薬も処方されているかもしれません。まずは薬の力を借りましょう。不安との戦いは、最初は暴れ馬をなだめるようなものになります。時間の経過とともに症状が落ち着いてくると、不安はだんだんと工夫して付き合っていけるものになります。

これにはおそらく、あなたが最初に想像するよりも長い時間がかかることでしょう。症状としての不安が強烈な時期は、おそらく短くとも数ヶ月は続きます。私はうつ病関係の記事で繰り返し述べていますが、うつ病の治療は長期戦です。

服薬と休養をしっかり取りましょう。大丈夫です。あなたの不安はだんだん和らいできます。回復を信じてください。

なおこのブログでは、日々をなるべく幸せに生きる方法についても考えています。もし心に余裕が出てきたら、当ブログの「幸せ」タグの記事を読んで、人生について考えてみるのもよいでしょう。

短期的な対処

では、不安が強くて強くて仕方がない場合はどうしたらよいでしょうか。

ひたすら眠るというのは対処法のひとつです。正直なところ、不安と正面から戦っても勝てることはありません。うまくやり過ごすことです。あなたが休職中ならば、仮に眠ってばかりの生活になっても後ろめたく思うことはありません。あなたは休むために休職しているのです。あなたの身体と脳は、あなたが思っているよりも疲弊している可能性があります。休ませてあげてください。

病院の先生に相談して頓服(とんぷく)の薬をもらうというのも選択肢のひとつです。頓服とは、夕食後などに決まったタイミングで飲む薬ではなく、あまりにも不安の症状が強いときなどに自分のタイミングで飲む薬を指します。

あなたの症状がある程度回復しているのなら、散歩に出るというのもよい対処法です。おっくうでも、とりあえず身体を動かして外の空気を浴びてくるのです。これは多少不安があるときでも、当面は頭の中を空にしてくれる効果を持ちます。

おわりに

不安の原因、長期的な対処と短期的な対処について述べてみました。ポイントはあなたの不安はある意味当然のものなのであまり心配しないでいいということと、不安と正面から戦っても勝てないのでうまくやり過ごすことです。

私はこの記事の他にもメンタルヘルス関係の記事を多く書いていますので、当ブログの「うつ病」タグや「メンタルヘルス」タグの記事もよろしければ参考にしてみてください。

あなたの不安が和らいで、楽に生活できるようになっていくことを願っています。