家族がうつ病になったら – 突然の事態に慌てないために

あなたの夫、妻、子ども、親などがうつ病になってしまったら、どうしたらよいのでしょうか。今回はそんな家族のうつ病について考えてみたいと思います。

経済的な心配は当面は不要

うつ病になってしまったのが一家の家計を支えている人だった場合、心配されるのが経済的な問題です。

多くの場合、経済的な心配は当面は不要です。会社で加入している健康保険には「傷病手当金」という制度があり、最大で1年6ヶ月の間、給与の3分の2が保障されます。たいていのケースでは、うつ病はこの期間内に回復します。

休職制度についても、多くの会社では1年以上の期間が設けられていると思います。この辺りは過去の記事「うつ病の休職期間と復職の目安は?」でも触れましたので、よろしければ参考にしてください。

支える、しかし少し離れて

うつ病の人は極度のエネルギー切れを起こしてしまっていて、簡単な家事などもできなくなっているかもしれません。しかし、それを誰よりも情けなく思っているのは病気になった本人です。

どうかご本人に寄り添ってあげてください。うつ病の人は強い自責感を抱えている可能性があります。何もかも自分が悪い、こんな自分などいなければいいという感覚です。ご本人のことを大切に思っているなら、どうかそれを何らかの形で伝えてあげてください。

ただ、うつ病は回復に時間がかかる病気です。ご家族にもかなりの忍耐が必要とされます。うつ病という病気と付き合うにあたっては、ご家族であるあなた自身も周りの人に助けを求めて、この大きな難題に巻き込まれすぎないようにしましょう。友人がいるなら、「最近こんなことがあって大変なんだ」ということを話してみるのもよいでしょう。

あなた自身の生活も大切にしてください。状況に飲み込まれてはいけません。息抜きを大切にしましょう。ご本人に対しては、「半歩離れた場所から、回復を信じて見守る」といった態度が大切です。

おわりに

うつ病という病気の概要とご本人への接し方については、過去の記事「うつ病とは何か – 原因と症状、接し方」でも触れていますので、併せてご参照ください。

あなたの大切な人のうつ病が回復に向かうことを願っています。