最初の原稿が出来上がりつつある

電子書籍の出版に向けた作業を進めている。シロイは今日も頑張っています。

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楽器の上達法というテーマで「こういう本を出すぞ」と決めて、全体の構成をメモにまとめ出したのが2023年12月1日。メモがなんとなくまとまったらすぐに書き始めて、一応の執筆を完了したのが丸2ヶ月くらい経った1月29日。今日は2月7日。今は原稿を電子書籍として出版できるファイル形式に変換するために、あれこれ調べながら作業を進めているところ。

全体として文章の流れがよいか、文体に統一感があるか、表記揺れがないかなど、チェックして手直しすべき点はまだまだある。このテーマで書きたいことはほとんど出し切ったつもりでいるけど、見直しの過程で、加筆したい内容がもっと出てきてもおかしくはない。

執筆環境としては、当初はnoteのエディタを使用していた。しかし、これだと全体の校正に不便だし、電子書籍の形式にも変換できないので、しばらく悩んだのち、Macで使えるPagesというソフトに移行した。これはWindowsで言うところのWordに相当する。執筆業ではGoogleドキュメントが使われることも多いそうだけど、これは縦書きに対応していないので、私の採用候補からは外れた。

(画像:Pagesを使用した横書きの原稿)

仕事で普通にWindowsとOffice関係のソフトを使うとき、「Excelを方眼紙にしてドキュメントを作るのをやめろ」「何でもPowerPointで作るのをやめろ」という話がある。文書作成を専門とするソフトとして、ちゃんとWordが存在するのに、誰もWordを使ってくれないのである。Wordをきちんと使える人って、実はあまりいないんじゃないかと思う。私も詳しくない。MacでPagesを使っていても、まだ不慣れな感じがする。

慣れないソフトを使うのって大変で、「めんどくさい」という理由は人間の行動を左右する動機として極めて強力に働く。だからExcel方眼紙は永遠になくならないと思う。

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昔のインターネット(CMSの普及やSNSの登場以前の個人サイトの時代)を知っている人は、HTMLの「brタグ」のことを覚えていると思う。改行するためのタグだ。

ところが、これを普通に使うスタイルはとっくの昔に非推奨となっていて、普通に段落を分けるときには「pタグ」を使うべきとされている。つまり、HTMLでは「ここからここまでの文章はひとつの段落だ」ということを指示すべきで、段落である以上はそこで改行される見た目になるのだ、という流れが正しい。見た目ではなく構造を記述したまえ、ということだ。見た目は主にCSSというファイルで指示される。HTMLは文書の内容と構造を記述すべきで、外観を記述するCSSとは分離するものだという思想が現代では普通になっている。確かにそのほうがよい。

電子書籍にはEPUBという標準的な形式があって、構造を記述すべきという点ではHTMLの話に似ている。つまり見出しはあくまで「レベル3の見出し」などと指示すべきであって、「太字で18ptの大きなフォント」ではないということだ。逆に言えば、そういう構造さえちゃんと記述していれば、あとはいい感じの見た目で端末側が勝手に表示してくれるということになる。

ということで、今回の原稿を慣れないPages上で慣れない縦書きに変換してみる(コンピュータが縦書きを普通に処理してるのってすごく変な感じだ。編集できるのがなんだか気持ち悪いぞ)。さらに、それをEPUB形式で書き出して、EPUB用のビューアで表示させてみた様子がこれ。

(画像:Kindle Previewer 3というEPUBビューアで原稿を表示させた様子)

感動。2ヶ月近くかけて頑張って書いてきた原稿が、本当に書籍っぽい感じになっている。

「ぽい」というのは大事である。家でクッキーを焼いたなら、綺麗にラッピングして誰かに渡したくなる。お店っぽいじゃないか。味がよければそれでいいだなんて単純な話があるか? そんな人間であなたはいいんですか? この答えは否であって、綺麗にしたほうが自分も嬉しいのである。それと同じ。原稿が綺麗になったら、書いた人だって嬉しくなる。紙の本になったらもっと嬉しいんだろうな。

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上に載せた画像の「本当に書籍っぽい感じになった」という感動を伝えたいだけで、ここまで一気に書いてしまった。何か大変な作業を進めるとき、目に見えてわかりやすいゴールというかチェックポイントがあるのって大事だなと思った。やる気はときどき補充する必要がある。これは今回の学び。この先、2冊目以降の本を書くときに、この本での経験がいろいろと活きてくるのだろう。

今回の書籍がリリースできたら、また改めてSNS上でお知らせします。今はとにかく「頑張ってよかった」という気持ち。でも、まだ終わってないから、もう少し頑張ろう。もう少しだぜ。


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