夢って意外とあっさり叶う(紙の本を出した話)

(画像:紙の本がAmazonで買えるようになって嬉しくて思わずスクショしたやつ)

1冊目の電子書籍を出した直後に、このブログでこんなことを書いた。

次の目標について。

  • 2冊目以降の本もどんどん書いていきたい。(制作ノートの記事の最後に、今現在の構想を書き出した。少なくとも2冊目も2024年中に出したい)
  • 紙の本を出版する。絶対に出す。
本当に本を出版しちゃった! (2024.2.19)

で、先日、紙の本が出せた。この1冊目の電子書籍をペーパーバック版にして、3月28日からAmazonで入手可能になった。まさかのスピード感で、この決意文を書いて1ヶ月ちょいで実現してしまった。

1年前の私は、自分が執筆と出版を本気でやっているなんて全然想像してなかった。10代の頃から読書好きだったけど、「紙の本を出す」なんて、ただの夢の話だと思っていた。

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これは技術の進歩のおかげもある。AmazonのKDP(Kindle Direct Publishing)は電子書籍を出す仕組みかと思っていたら、ペーパーバックのオンデマンド印刷にも対応していたのだ。ペーパーバックっていうのは、洋書とかでよくあるカバーがペラペラの本のことね。

それで、KDPで原稿データを登録して出版手続きをすれば、お馴染みのAmazonの商品ページが用意される。そこの画面でみなさんがポチった時点で、私の書いた本がすごい早さで印刷されて製本されて、翌日とか2日後にはみなさんの郵便受けに届けられるのである。実際の商品ページを見てみると「在庫あり」と表示されているけど、本当に物理的な在庫がAmazonの倉庫に置かれているという意味ではない……と思う(だって、出版後も著者が原稿データを手軽に差し替えられるようになっているし)。

このように、本の出版が「誰にでもできるようになった」とはいえ、実際に出版にこぎ着けるまでにはいろいろとめんどくさい作業が存在する。だから、私が表紙デザインのような作業が好きだとか、技術系の人なので電子的な原稿データ作成や宣伝用のWebサイト立ち上げも問題なく行えるというのは、運がよかったなって思う。このことは前に電子書籍のみで出した時点でどこかに書いた気がするけど、紙書籍を出してみて、改めて「自分の手であれこれやるのが苦にならない人間で本当によかった」って感じた。

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出版物の版を組むための環境としては、Adobeの「InDesign」というソフトが業界標準になっている。Adobe製品が高いことはご存知のとおり。今はクラウド化やサブスクリプション化の流れで、最初に一度お金を払うだけの買い切りの形式がないらしく、最低でも月額3,280円かかると出てきた。

まあ、ビジネスではこれくらいの必要経費は何でもないことだけど、私のようなひとり作家業兼出版業みたいな人間には、これくらいの金額でも痛いのである。なので、MacのワープロソフトであるPagesでなんとかすることにした。縦書き原稿に設定して、見開きのレイアウトを組んで、PDF形式で書き出せば、一応はAmazonの出版物の電子データとして受け付けてもらえる。やったことのない作業が多くて大変だったけど、最終的にはなんとかなった。この「やったことがないことをなんとかできる」というのも、技術者の仕事を長くしてきた恩恵かも。

さらに、たまたま自分がMacを使っていたのもラッキーだったなって思う。Windowsよりも凝ったフォントが入っているのは嬉しい。元々は技術の仕事をするときにUNIX系のOSが便利だという理由だったけど、視覚的な何かを制作するときにはやっぱりMacは強い。

こうしていろんな作業のことを書いてみると、とにかく全体が手作り感満載なのだけど、出来上がった本という作品から「素人っぽい感じ」はなるべく出ていないといいなと思う。

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校正刷(テスト印刷)として、紙の本が手元に届いたときは感慨深かった。ISBNがついた本物の本だよ。すごいね。

さっきも言ったとおり、本なんてすぐにはそんなに売れない。それは何の商売をやるにしてもそう。私だっていつでもやる気に満ちているわけはないから(ないことのほうが多いぞ)、しんどいなって思うことは当然ある。仕事として、収入や社会的評価の面でどれくらい報われるかなんてわからない。

でも、自分で頑張るって決めたことだから、頑張りたい。


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