(お知らせ:このブログはだいぶ昔に趣味的にやっていたものです。技術的な話題メインではないですが、現在は出版レーベルのシロイブックスを運営しているので、よければそちらもチェックしてみてくださいね!)
Dropbox は信頼のおけるクラウドサービスですが、それでも自分でファイルをバックアップしておきたいと考える方もいると思います。今回は Dropbox のファイルを外付けHDD/SSD等のメディアにバックアップする方法について考えてみたいと思います。
考えられる方法
Dropbox のファイルを外付けメディアにバックアップする方法としては、以下の3つが考えられます。
- 手動ですべてのファイルをコピーしてペーストする
- robocopy や rsync といった専用コマンドを使用する
- 外付けメディア上に仮想マシンを構築する
1は最初に思いつく方法ですね。Windows ならばエクスプローラから、Mac ならば Finder から、すべてのファイルをまるごとコピーして、外付けメディア上に貼り付けるだけです。
しかしこの方法、少し欠点があります。ファイルを毎回すべてコピーするので、非常に時間がかかるという点です。
実はこういう場合に備えて、Windows にも Mac にも、ちゃんと専用のコマンドが用意されています。Windows ならば robocopy コマンド、Mac ならば rsync コマンドです。次に具体的な方法を見ていっていましょう。
方法2-1:Windows で robocopy コマンドを使用する
まずは Windows の場合です。画面左下、スタートメニューのボタンの横にある「ここに入力して検索」と出ている検索ウィンドウに「コマンド プロンプト」と入力をして、コマンドプロンプトの画面を開きます。
Dropbox のディレクトリがC:\Users\my_username\Dropbox\で、バックアップ先のメディアのディレクトリはD:\Backup\だとしましょう。その場合、コマンドプロンプトの画面に以下のコマンドを打ち込んで Enter キーを押します。
robocopy C:\Users\my_username\Dropbox\ D:\Backup\ /MIR /NOCOPY
このとき、ディレクトリ名の順番を逆にしてしまうと大変なことになるので注意しましょう! Dropbox のディレクトリが、空っぽのバックアップディレクトリの内容で上書きされてしまいます。
毎回バックアップするたびにコマンドを打ち込むのは面倒なので、初回に打ち込んだコマンドをメモ帳にコピーして、backup.bat などのファイル名で保存しておくとよいでしょう。次回から backup.bat をダブルクリックするだけで実行できるようになります。
方法2-2:Mac で rsync コマンドを使用する
次に Mac の場合です。command + スペースバーを押して、Spotlight 検索のウィンドウを開き、「terminal」と検索してターミナルを開きます。
Dropbox のディレクトリが「/Users/my_username/Dropbox/」、バックアップ先のメディアは「/Volumes/MY_SSD/backup/」だとしましょう。その場合、ターミナルの画面に以下のコマンドを打ち込んで Enter キーを押します。
rsync -av --delete /Users/my_username/Dropbox/ /Volumes/MY_SSD/backup/
このときも Windows の場合と同じで、ディレクトリ名の順番を逆にしてしまうと大変なので、よく注意しましょう。
なおディレクトリ名の文字列が分からない場合は、Finder からターミナルにフォルダアイコンをそのままドラッグ&ドロップすると、該当するフォルダのディレクトリ名が出てきます。
ちなみにターミナルを開いた状態ではデフォルトでホームディレクトリが開かれていますが、Dropbox のディレクトリはその直下にいると思います。ターミナルを開いた直後の状態から、以下のコマンドでディレクトリ名を表示させてあげるとよいでしょう。
cd Dropbox
pwd
Windows の場合と同じく、実行したコマンドは2回目以降のバックアップのために、backup.sh などのファイル名でファイルに保存しておくとよいでしょう。Mac のターミナルでは vi などのコマンドでテキストファイルを編集・保存できますが、vi の使い方などは別途検索してみてください。
backup.sh を作成したら、以下のコマンドで実行権限を与えることもお忘れなく。
chmod u+x backup.sh
以上が方法2の robocopy および rsync を利用した方法です。次に、方法3を見てみます。
方法3:外付けメディア上に仮想マシンを構築する
実は方法2にはひとつだけ欠点があります。Dropbox のヘビーユーザーの場合、選択型同期の機能を使用して容量の大きいファイルなどをローカルに保存していないケースがありますが、その選択型同期で除外されたファイルは robocopy や rsync のコマンドではコピーされないのです。
方法3はこれを解決するために私が思いついた方法です。それは以下のような方法です。
- 仮想マシンのツールである VirtualBox をインストールする
- VirtualBox で外付けメディア上に Ubuntu 等の Linux マシンを構築する
- 構築した仮想マシンに Dropbox をインストールし、すべてのファイルを同期させる
少々強引な方法ですが、これで全ファイルのバックアップが外付けメディア上に取れることになります。ときどき仮想マシンを起動させてあげれば、その時点でのバックアップが自動的に行われます。
誤削除してしまったファイルを復元したい場合など、何か問題が発生したときには、ネットワーク接続を切った状態で仮想マシンを立ち上げることで、最後にバックアップを行った状態を復元することができます。
仮想マシンのインストール方法などは別途検索を行ってください。ここまでやりたいヘビーユーザーの方なら、おそらくそれほど難しくはないでしょう。
注意点として、VirtualBox の仮想ドライブのファイル(.vdi ファイル)を作成するときには、Dropbox の契約している容量の上限+αのサイズで作成しましょう。「可変サイズ」を選択すると、初期設定した容量がいっぱいになったときに自動的に容量を拡張してくれるように思えますが、そうではありません。「可変サイズ」とは、.vdiファイル本体のサイズが実際のディスク使用量に合わせて増えていくというだけで、ディスク容量の上限のサイズはあくまで初期設定したサイズになります。
今回の記事の内容としては以上になります。