ちょうどいい季節ってないよね

私は汗をかくということがオクラや納豆と同じくらい嫌いで、さらにエアコンの冷たい風に当たると体調を崩す体質なので、夏になると起きてる時間中ずっと「もうやめて〜」と思っています。寒いのはどちらかというと大丈夫で、冬の冷えた空気に触れると「生きてるな」っていう感じがします。

私が長く住んでいる土地には、立派な桜並木があります。春先に花を咲かせて、真夏に深い緑になる桜の木を見ると、生命っていうのは夏の側にあるんだな、と感じます。冬の枝は葉っぱが全部落ちて寂しくなっていますよね。生命力とは熱のことなので、冷えた生き物は活動量を低下させます。そう考えると、私が冬の寒さに「生きてるな」と感じるのは少し不思議です。これは死というものの影を見ることで逆に生が意識されるということかな、となんとなく思っています。

今、これを書いている季節は秋ですが、暑いのが終わったと思ったらすぐに寒いのが来ることでしょう。ちょうどいい季節なんてほんの一瞬で、ほとんど無いようなものです。大抵の日は、寒すぎるか暑すぎるかのどっちかです。

まあ、そういうものなんでしょうね。暑くも寒くもない日が一年中続いたら、それはそれで面白くなさそうです。夏にも冬にも文句はあるけれど、人間の生活には夏も冬も必要なんですよね。これは面倒な仕事や人間関係と同じで、大体いつでも、人生につきまとうのはそういう性質のものなんです。