楽器初心者にはウクレレがおすすめだぞ!

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私はコンサーティーナという楽器でアイルランド伝統音楽を演奏していますが、ここにたどり着くまでには10種類以上の楽器に手を出しています。弦も鍵盤も笛も打楽器もやりましたし、楽器と言えるかは微妙ですが、DTMもかじった経験があります。

どのような楽器が「しっくりくる」かというのは、人によって全然違います。プロのオーケストラでは、ときどき冗談半分で「この楽器をやってる人ってこういう性格傾向があるよね」みたいなことが言われるそうですが、それもあくまで傾向です。

さて、「ごく普通の人がごく普通に楽しむ」という目的を考えたとき、最強に近いのではないかと思われる楽器が存在します。それはウクレレです。マイナー楽器ではないので、きっとみなさんご存知ですね。一般的な楽器店に行けば、普通に置いてあると思います。

ウクレレの長所というのは、挙げてみると想像以上にたくさん存在します。以下のようなものです。

  • コードの押さえ方さえ覚えてしまえば、好きな歌手の曲を歌いながら弾ける。大抵の曲のコードは、ネットで検索すればすぐ出てくる。
  • 手の大きさの制約を受けない。ピアノやギターでは、人によっては物理的にどうしても押さえられない形があるが、ウクレレではそのようなことがほとんどない。
  • 騒音の心配があまりない。アパートで普通に弾けるレベル。
  • 五線譜の楽譜が読めなくても大丈夫。コードは形で覚えるものだし、メロディを弾く場合でも、ウクレレの曲集の本には五線譜と一緒にタブ譜が併記されていることが多い。
  • 楽器としては価格が安い。1万5千円〜2万円くらいの価格帯で、しっかり使えるレベルの楽器が存在する。(数千円のものはさすがにクオリティが十分でないかも。でも、最初はそういう安価な楽器を買って、本格的にやれそうだなと思ったら改めて2万円くらいの楽器を買って、最初の楽器はバザーに出すといった手もアリ)
  • 軽く、場所を取らない。部屋の隅に立てかけておいて、気が向いたときだけほんの5分か10分弾くということができる。ギターなどはそれなりに大きいので、ひょいと手に取るという感覚にはなりにくい。
  • 最悪、ちゃんと弾けるようにならなくても、なんとなく触って音を出しているだけで楽しいし、癒される。

だいたいこんなところでしょうか。コードを覚えればすぐに楽しめるといったことはわかりやすいメリットですが、読譜や手の大きさといったピアノを習う際などにありがちな問題がなく、意外と現実的なハードルになりやすい騒音についてもクリアしています。お値段が安くて、なんとなく部屋に置いておいてたまに触るだけでも楽しいので、仮に本格的に身につけることに挫折したとしても、ダメージはそれほどでもありません。

これに対して短所を挙げるとすれば、他の弦楽器に比べてややチューニングが狂いやすいことくらいだと思います。もう少し細かいことを言えば、音域がそこまで広くないことと、楽器としてのピッチの正確さが弱いと言えなくもないですが、ほとんどの人は気にならないレベルでしょう。

ウクレレの音色というと、カラカラした独特の軽い音を思い浮かべる人が多いと思いますが、これはソプラノウクレレで標準的なチューニングをしたときに出る音です。テナーウクレレやコンサートウクレレといったもう少し低い音域の楽器を選択して、G弦をLow-Gに張り替えると、よりギターに近いような音で弾くことができます。こうするとハワイアンっぽさが抑えられて、ジャンルを選ばずに弾ける楽器になります。(個人的には、コンサートウクレレでLow-Gにするとすごく癖のない楽器になると感じています)

やりたいことというのは、やりたいときにさっさと始めてしまうのがいいです。現代ではSNSで簡単に楽器好きの仲間と繋がれるし、弾き方についてはわかりやすい動画チャンネルもあります。楽器が弾ける人に憧れるなあといったとき、ウクレレというのは本当にすぐ手が届く存在なんです。もちろん、だから奥が深くないというわけではありません。

これを読んで少しでも興味が湧いたという方がいたら、ぜひ次の週末にでも、お近くの楽器屋さんに行ってみてください。楽器って本当に、本当に楽しいですよ!