債権投資は初心者向き? おすすめの利用法

株式への投資と並んで、一般的に広く行われている投資方法として債権への投資があります。債権への投資は元本保証がされているわけではありませんが、株式よりもリスクが低いと認識している方も多いでしょう。今回はそんな債権への投資について考えてみたいと思います。

なおここでは、「債権への投資」とは債権の銘柄を個別に購入することではなく、「国内債権」や「先進国債権」といった投資信託やETF(上場投資信託)の購入のことを指すものとします。

基本は株式のポートフォリオで

最初に基本的な事実を確認しておきましょう。あなたがなるべく高いリターンを求めているなら、ポートフォリオの中心に据えるべきなのは債権ではなく株式です。

債権はリターンが株式より低い代わりに、リスクも低いのだという考え方がありますね。だから株式よりも債権を選ぶのだ、という理屈です。もし債権のリスクが低いということが事実ならば、債権投資は確かに初心者にもやさしい投資方法だと言えるでしょう。

実はこれ、半分は正しくて半分は間違っています。ジェレミー・シーゲルが著書「株式投資」にて、米国市場の過去200年間に渡る分析の結果明らかにしたところでは、株式と債権のリスクというのはその保有期間によってある特定の傾向の変化を示します。

少しだけ専門的な話をさせていただくと、株式や債権のリスクは「ランダムウォークする」という仮説には従わないのです。株式は保有期間が長ければ長いほど、ランダムウォーク仮説よりも低いリスクになります。債権は保有期間が長ければ長いほど、ランダムウォーク仮説よりも高いリスクになります。

やや分かりにくい話になりましたので、具体例を出しましょう。あなたが株式や債権を保有するとき、それが10年間の保有であれば、株式は債権よりもリスクが高いです。ここまでは直感に従っていますね。

面白いのはここからです。もしあなたが20年間の保有を前提とする場合、株式と債権のリスクは同程度になります。株式のほうが期待されるリターンは高いにも関わらずです。さらに30年間の保有を考えた場合、株式のリスクは債権のリスクよりも低くなります。株式のほうが期待されるリターンは高いにも関わらずです!

債権の賢い使い方

長期保有で考えた場合、株式は債権よりもリスクが低い」というのは、なんとも直感に反する話です。しかし、データの上ではそのような事実が出ているのです。それでは、債権はどのように使えばよいのでしょうか。

ここまでのお話で分かったように、もしあなたが20年や30年を超す長期投資で物事を考えているのなら、おそらく債権は不要です。株式のみのポートフォリオでよいのです。

あなたが債権への投資を必要とするのは、10年程度しか保有しないなど、保有期間が比較的短い場合に限ります。またその場合も、リターンを確保するために株式と組み合わせたポートフォリオを作ることをおすすめします。

あなたが比較的保守的であれば、株式6割で債権4割といったポートフォリオもよいでしょう。もう少しリスクを許容してもよいのなら、株式8割で債権2割といったポートフォリオでもいいかもしれません。

おわりに

債権投資について語ってみようという記事でしたが、株式投資の話も大きく出てくることになりました。「長期保有では株式のリスクは債権のリスクより低くなる」という事実はあまり知られていないと思いますので、ご参考にしていただければと思います。

私はこの記事の他にも投資関係の記事をたくさん書いていますので、よろしければそちらも参照してみてください。株式投資に関する詳しい情報もいろいろと書いています。

それではみなさん、楽しい投資生活を。