アイルランドのダブリン Dublin 出身のフィドラー、エイダン・コノリー Aidan Connolly による2016年のアルバム。2019年には来日公演も行っているミュージシャンです。
エイダンはシュリーブ・ルクラ Sliabh Luachra の音楽の伝統を受け継ぎ、特に伝説的なフィドラーであるパディ・カニー Paddy Canny、パディ・クロニン Paddy Cronin、デニス・マーフィー Denis Murphy といったミュージシャンの影響を受けています。
このアルバムは「渋いのに聴きやすい」というかなり特殊な性質を持っていますね。先に挙げたアイルランド音楽界のレジェンドたちのエッセンスをしっかり受け継ぎ、ファンを唸らせる内容を保ちつつも、どこかBGM的に聴けてしまう軽やかさもあります。
アコーディオンやピアノ、ギターなど、曲によって多彩な客演が見られるのも魅力ですね。他の楽器は決して強く主張してくるわけではなく、どれもほどよいバランスを保っています。
どのトラックも素晴らしいですが、個人的にはラストのバーンダンスの「If There Weren’t Any Women in the World / Stack of Oats」がベストトラックかなと思います。ピアノとアコーディオンの入り方が素敵ですね。
アイリッシュ・フィドルの名盤として、あらゆるリスナーにおすすめできる稀有な作品と言えると思います。