妬みの対処法 – 自分も他人も幸せにしない感情の正体

妬みというのは人間のやっかいな感情の一つです。私たちは自分の中に抱える妬み、他人が持つ妬みにどう対処したらよいのでしょうか。今回はそんな妬みについて考えてみたいと思います。

妬みの実例

まったくお恥ずかしい話でありますが、私自身が妬みを感じた実例をお話ししましょう。

私の知り合いのご夫婦に、小学校低学年の男の子がいます。最近気づいたのですが、私はなぜかその男の子のことが苦手なのです。なぜでしょうか。

それはその男の子がよく母親に甘えるからです。母親をわざとぶつそぶりをしてみたり、思い切り抱きついたりしてみたりと、方法はいろいろなのですが、とにかくよく母親に甘えるのです。それを見た私は、心の奥底からこんな言葉が浮かんでくることに気づくのです。「ゆるさない」と。

なぜなのでしょうか。私は子どもの頃に、そんなに親に甘えるということができなかったからです。私の心の中の子どもが言うのです。「愛されて育つなんてゆるせない、私はそんなもの貰えなかった。愛されて育つなんてずるい。ゆるせない。」

つまり私は、自分が幼い頃に十分に与えられなかった愛情を実際に与えられている男の子を見て、妬みの感情を抱いているわけです。

誤解のないように言っておきますが、私は子どもというのは最大限、親に甘える機会を与えられながら育っていくべきだと思います。十分に甘えて、愛情を与えられながら、だんだん自立していくというのが理想なのです。私の「ゆるさない」は、どこからどう見ても道理に反しています。しかし、私は正直に言えば、そのような感情を抱くのです。

自分の中の妬みにどう対処するか

妬みは明らかに有害な感情です。他人の幸せを願うよりも、他人の不幸を願うからです。では、そんな妬みにどうやって対処すればよいのでしょうか。

まず必要なのは、自分の幸せを第一に考えることでしょう。これは一見すると自分勝手のように思えますが、結局のところ自分自身が幸せでないのなら他人の幸せなど願えるはずがないのです。

あなたが妬みを感じたときは、なるべく自意識というものを減らすことです。自分の内面より、むしろ外部の世界の出来事に関心を持つようにしましょう。あなたの趣味や仕事、あるいは好意を感じる人などについてです。

自尊心というものを身につけていきましょう。自分は大切な存在だ、という事実を知るのです。あなたは大切です。あなたが自分を大切にすることができれば、おそらく他人のことも大切にすることができるでしょう。

他人からの妬みにどう対処するか

では、他人から妬みを向けられた場合はどうでしょうか。先に私の実例を挙げたように、妬みは明らかに自分勝手で道理に反した感情です。しかし、それは強力な感情でもあります。どのように対処したらよいのでしょうか。

まず、なるべく妬みを気にしないことです。あなたが妬みを向けられたからといって、あなたが何か悪いことをしたわけではありません。

処世術としては、あなたはなるべく自分の恵まれた点を大っぴらに宣伝しないほうが無難でしょう。ここでも先に述べた「自分に無関心になる」という方法は有効です。自分の内面よりもむしろ外部の世界に目を向けている人は、あまり不用意な自慢話などをしないものです。自分に無関心である人は、自慢をする必要性を感じないからです。

おわりに

妬みについて、実例を交えて大まかに触れてみました。ポイントは妬みが有害な感情であることと、自分が抱いてしまった場合も他人から抱かれてしまった場合にも、それに「無関心になる」ということです。

あなたがもし妬みという感情に悩まされているのなら、なるべく早いうちにそうした感情と手を切って、ご自身の幸せを掴んでいくことを願っています。