20世紀の知識人の書いた本を読んでいると、共産主義という言葉がけっこう頻繁に出てくることに気づきます。現代の人からすると「なんで?」という感じだと思いますが、確かにこういうイデオロギーが全世界を二分した時代が存在したんですね。
イデオロギーというのは「何が正しいんだろう」という姿勢を放棄して「これが正しいんだ」という立場に逃げ込むことです。現実を理解するということはすごく難しくて、面倒くさい現実から逃避したいという人間の要求は根深いので、いつの時代でもイデオロギーは流行します。共産主義というのは、古いからその不自然さがわかりやすいだけで、今の時代にだって同じようなものはたくさん存在しているでしょう。
何が現実かというのはけっこう難しくて、たとえば人が「現実を見ろ」などと言うときは、単に「部族の風習を受け入れろ」ということでしかありません。それは別に現実ではないですよね。
100年経ったあとの世界の人とか、あるいは単に外国の人とかから見て、この人たちちょっと間抜けだよね、って思われるのは嫌だなと思います。思い込みを排除するというのは口で言うほど簡単なことではないので、いつだってちゃんと考える必要があります。だから、ちゃんと考えるっていうのはすごく大切です。
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