山本哲也 – Inquiring (2017) / Shepherd’s Delight (2019)

愛知県瀬戸市在住のギタリスト、山本哲也さんによるソロ作品。2017年に1stの「Inquiring」、2019年に2ndの「Shepherd’s Delight」をリリースしています。

フィドルの小松大さんとのデュオのアルバム「Years」(2016)、「Shadows and Silhouettes」(2018)にもソロギターのトラックが含まれていましたが、本2作品は全編ソロギターによるレコーディングとなっています。こうしたスタイルでレコーディングを行なっているのは本国アイルランドにもあまり多くないと思いますから、日本のケルト音楽ファンには嬉しい作品ですね。

曲はアイリッシュ好きにはお馴染みのリールあり、ジグあり、しっとりしたエアーもあり、オキャロラン O’Carolan の曲もありと、バラエティに富んでいます。ギターの音色は主張の強さよりも、BGM的にも聴ける心地の良さが目立っています。

オキャロランの曲などは元々アイリッシュハープ向けの曲ですが、山本さんのギターの手にかかるとハープとはまた違った響きを見せていて面白いですね。きっとアレンジの上手さもあるのでしょう。

意外なところでは、2ndでは現代の作曲家・フィドラーであるリズ・キャロル Liz Carroll の「Lost in the Loop」が取り上げられています。これはもう、素晴らしいアレンジと演奏です。

アイリッシュでギターを聴く方にはぜひともおすすめしたい作品です。