発達障害の特性とどう付き合うか – 対処法のヒント

ASD(自閉症スペクトラム症)やADHD(注意欠陥・多動性障害)に代表される発達障害。その障害特性にはさまざまなものがありますが、ここではその特性と付き合うための一般的なヒントをいくつか提示したいと思います。

「具体的な」ヒントではなく「一般的な」ヒントです。あなたが遭遇している困難は、おそらくあなたに特有なものでしょう。私がこの記事で意図したいのは、あなたが諦めずに前を向いて生きていけるようになることです。

それでは、いってみましょう。

人間は成長する

当たり前のことですが、人間は成長します。発達障害を持っていても同じです。あなたの困難はゼロになることはありませんが、それでも時間の経過とともに楽になっていく可能性があります。

発達障害を持つ人の多くが悩むのが対人関係でしょう。ここで多くの当事者は、ルールの分からないゲームをさせられているような気持ちを味わいます。しかし、対人関係という面でも人は成長します。まったく分からないと思っていたルールが、少しずつ分かるようになってくるのです。

苦い経験を経てかもしれませんが、やってはいけないことやったほうがいいことがなんとなく分かるようになってきます。「ふつうの人間らしい振る舞い」がだんだん分かってきます。私はこれを個人的に「人間のフリをする」と呼んでいます。

そして幸いなことに、世の中には発達障害という診断を受けていないまでも、それに近い性質を持った人は数多く存在するということに気がつきます。運がよければ、あなたはそうした友人を得ることができるかもしれません。

基本は環境調整

人は自然と変わっていくもの、成長していくものですが、無理に変えようとすると必ず失敗します。人は「変わっていく」ものですが、「意のままに変えられる」ものではないのです。

社会に適応する上で、基本となるのが環境調整です。環境に合わせてあなた自身を変えようとするのではなく、あなたに合わせて環境のほうを変えるのです。

ここでも当事者は辛く苦しい目に遭う可能性があります。新卒で就職した会社に上手く馴染めるといったケースは、おそらくまれでしょう。手痛い失敗をしながら学んでいくことになるかもしれません。

幸いにも、世の中には人間は無数に存在しますし、働く場所や方法も無数に存在しています。失敗しても次があります。前を向くことを諦めないでください。

助けを求める、人と関わる

あなたは人と関わることに困難を抱えているかもしれませんが、それでも人と関わることを諦めないでください。私はこれが簡単なことではないことを理解しています。

しかし、私は確信して言うのですが、人生で最良のものは人との関わりの中でしか生まれません。それは一般的に友情や愛情、親切さなどと呼ばれるものです。

あなたの周りに存在する人は、おそらくあなたが想像しているよりも親切です。困ったときは助けを求めましょう

あなたは人よりも厳しいカードを配られて、人生という勝負に上がりました。あなたはサバイバルしていく必要があります。世界は確かに、とても厳しいものです。しかし同時に、世界には親切な人が無数にいるという事実も忘れてはなりません。

希望を失わない

私がこの記事で伝えたかったのはこの一点です。希望を失わないでください。人生に、人間に絶望しないでください。あなたが障害を抱えているという事実は変えられません。あなたの人生は今、辛く苦しい状況にあるかもしれません。

しかし、状況は変わります。人間は成長します。繰り返します。生きるということに希望を失わないでください。

私はこの記事の他にも発達障害やメンタルヘルスに関する記事を書いていますので、このブログの「発達障害」タグや「メンタルヘルス」タグの記事なども参照してみてください。また、うつ病などの二次障害を引き起こしてしまった場合は、以下の記事が参考になると思います。

あなたがこの困難を乗り越えて、何らかの幸せを掴んでいけることを願っています。