障害者手帳を取得しよう – 精神の障害で取得するメリット

うつ病や双極性障害、発達障害などの精神の障害を持つ人が利用できる制度として、障害者手帳の交付があります。

精神の区分の障害者手帳は、正式には精神障害者保健福祉手帳と言いますが、普通に「障害者手帳」と呼んでしまって差し支えありません。

この障害者手帳を取得すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。今回は障害者手帳を取得するメリットについて述べたいと思います。

取得のメリット

まず、働くにあたって障害者雇用での募集がかけられている企業への応募が可能になります。障害者雇用は、賃金がやや低い傾向があることや職種が限られることなどのデメリットもありますが、働くにあたって一定の配慮を受けることができます。具体的には、残業時間を制限してもらうなどといった配慮です。何らかの理由があって一般企業での就労に失敗し続けている場合などは、障害者雇用は大きな選択肢の一つとなるでしょう。

次に、障害者手帳にはさまざまな経済的なメリットがあります。所得税や住民税などの税金には障害者控除というものが存在しており、同じ収入の他の人と比べると、実際に支払う税金が安くなります。また自治体によって異なりますが、各種公共施設を使用する際の料金の割引などもあります。

また、これもお住まいの自治体によって異なると思いますが、筆者が住んでいる愛知県の名古屋市では、福祉特別乗車券というものが存在しています。これは地下鉄、市バスの乗車料金が無料となるもので、交通系ICカード(マナカ)の形で交付されます。個人的には、経済的に困りごとを抱えやすい障害者にとって、これはかなり強力なツールになると思います。

他にも、失業保険の給付期間が延びるという点が存在しています。とにかくいろいろとうまくいかないのが精神障害者の就労というものですから、ここでも経済的なメリットがあるのは大きいと思います。

取得の方法は

障害者手帳の取得にあたっては、主治医の先生に申請用の診断書を書いていただく必要があるので、まずは先生に「障害者手帳の取得を考えている」ということを相談してみましょう。

実際の細かい手続きはお住まいの自治体によって異なります。お住まいの自治体の役所の障害者福祉担当の窓口を調べて、申請の方法について問い合わせを行ってみましょう。インターネットで「○○市 精神障害者保健福祉手帳」などと検索しても、情報が出てくるかもしれません。

おわりに

精神の障害者手帳について、そのメリットと取得方法について簡単に触れてみました。

障害を抱えながら生きていくというのは、簡単なことではありません。だからこそ、使える制度は使っていきましょう。福祉関係の制度の多くは、自分から申請しないと貰えないというものがほとんどです。自分で知識をつけていって、自分から声を上げる必要があるということです。

ここで紹介した福祉制度などを利用して、あなたが少しでも生きやすくなっていくことを願っています。