モチモチ怪獣ふみ子の話

文鳥は「繊細なチンピラ」

出典不明

愛はカネで買えます。何故なら、ラブの化身である我が家の文鳥のふみ子は、小鳥店で7,000円で売られていたので。

ふみ子はまだ1歳にも満たない白文鳥で、2023年3月18日に我が家にやってきました。生まれたのはその4週間ほど前のはずですが、これは店主さんから聞いた話のうろ覚えで、正確な誕生日を聞いて記録しておかなかったことが悔やまれます。

ふみ子の正確な名前は「ふみ」といいます。声で呼びかけるときは「ふみちゃん」と呼び、文章に書くときは「ふみ子」と書いています。名前の由来は文鳥の「文」の字から来ており、漫画家の高野文子さんのお名前が素敵だなと前々から思っていたため、このように名付けました。

ふみ子のおうちは、私のベッドと反対側の壁ぎわに置かれている四角いケージです。私は今、日中は在宅する暮らしをしているので、お昼と夕方の1日2回、ケージの外に出して遊びます(放鳥といいます)。私がふみ子と遊んであげているのか、ふみ子が私と遊んでくれているのかは定かではありません。最近は私の髪の毛とメガネをかじるのが流行っており、隙あらば私の頭に飛び乗ろうとします。

ふみ子の基本的な性格は、寂しがりでビビりです。私がケージのある部屋から離れてキッチンなどに行くと、早く戻ってきて! と言わんばかりによく鳴きます。好奇心がある一方で、見慣れないものにはかなり及び腰です。一般的に文鳥は水浴びが好きで、ふみ子も水浴びが大好きですが、自分の立てた水面の揺れにすら驚いて飛び上がることがときどきあります。

動物というのはもちろん「かわいい」だけで済む存在ではありません。文鳥には目の前のものをなんでもとりあえずかじってみる癖があります。大型のインコのように、人間を怪我させてしまうほどの力はありませんが、それでもそれなりに痛いです。最近は私の指に対してあまり強く噛まないということを覚えましたが、ちびっ子時代にはかなり強く噛まれることもありました。

また、これは個体差があるようですが、ふみ子自身は身体を触られるのがそこまで好きではないようです。ただ、夜になって消灯するときには毎日「寝かしつけ」が必要で、私の右手にすっぽりおさまって、頭やほっぺをじっと撫でてもらっています。私はこの寝かしつけを「揉む」と表現しており、揉まれているときのふみ子は心の底から安心しているように見えます。

ふみ子をお迎えしたとき、私は健康を害して勤め先の会社を辞めた直後でした。私はこれといって何かをする気も起きず、人と会う気にもなかなかなれませんでした。苦しい毎日でしたが、寂しくはありませんでした。今や私の生活はモチモチの小鳥とともにあります。

どうか長生きしてほしいです。

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