ラッセル、私のヒーロー

行動する哲学者 その本に出会ったのがいつのことだったのか、正確には覚えていません。ただ、学生時代であった18歳か19歳の頃、既にカバンの中にその本を入れていた記憶があります。イギリスの哲学者、バートランド・ラッセルが19 …

[書評/要約] 中井久夫集6 – いじめの政治学 (1996-1998)

みすず書房から出版された「中井久夫集」全11巻の第6巻。1996年から1998年の随筆が収められています。 本書について まずは表題作「いじめの政治学」以外の章から触れましょう。 1996年というと、阪神・淡路大震災の翌 …

[書評] 鈴木大拙 – 真宗入門 (1983)

禅を西洋に広めたとして知られる鈴木大拙ですが、実は真宗関係の著作も多く残しています。「すべてをおのれの力で悟れ」とする禅宗の「自力」の教えに対して、「すべてを阿弥陀さまの力にまかせよ」とする真宗の「他力」の教えは、まった …

[書評] 鈴木大拙 – 禅 (ちくま文庫, 1987)

禅を西洋に広めた仏教学者として知られる鈴木大拙。大拙の著作はかなり読みましたが、ちくま文庫の「禅」は、絶好の入門書であると同時に、最も鮮やかに大拙の思想を切り取ったものだと思います。 冒頭の「はしがき」によると、過去45 …

[書評] 中井久夫コレクション 世に棲む患者 (2011)

ちくま学芸文庫から出版された、中井久夫コレクションの第1巻。これはかなりすごい本です。精神科医療のトピックについて書かれた本で、これ以上面白いものはちょっと読んだ記憶がありません。 中井久夫コレクションは続刊で「『つなが …