若者がまぶしすぎて気絶しそうになった

インターネットの面白いところは、住んでいる地域も年齢も社会的属性も何もかもが違うのに、魂の形だけは似通っている、という人間を見つけ出せる点にあります。普通に暮らしていたら絶対に出会うことはなかったであろうその人と、話ができるんです。それも、普通に日常で顔を合わせているだけの仲であったらまずしないような、深い話ができることがあります。

私が今、30代という時間を過ごしていて気づいたことがあります。20代のうちって、自分よりひと回り下の世代っていうと高校生とかになって、その辺りの年代ってまだ自分というものが確立していないですよね。ところが30代になると、ひと回り下の世代っていうのは20代になって、これくらいになると、もう既にその人らしい個性や人間性というものがちゃんと出てきています。少し年下に、自分とは違う世代を生きていて、自分にはない魅力を持った人たちが現れ始めるんです。

これは年齢や世代が離れている場合に限らないのですが、誰かと深い関係になれるとき、一致を見ることの多い要素がふたつあります。ひとつは外の世界に関することで、何が好きかということです。同じバンドが大好きだったり、同じ専門分野で仕事をしている同業者の人などは仲良くなりやすいですよね。もうひとつは内側の世界に関することで、簡単に言えば性格です。心の中で何を大切にしているのかということですね。生真面目なほうなのかはっちゃけているのか、社会での成功を重視するのか自分らしい生活を重視するのかといったことがあります。

ただ、外向的な人と内向的な人の間で妙に気の合うコンビができたりすることはよくあるので、単純に一致している量や範囲が多ければいいというわけではないようです。私は個人的に、心の中のコアになる部分が一致していて、枝葉末節はいろいろ異なっていて別々の関心を持っているというケースでいちばん面白い人間関係が生まれるのではないかと思っています。

こうした友達というのは、年が近くても離れていても大変貴重なものなのですが、自分より若い世代の人の中にそうしたものを見つけると、これはなかなか感慨深いものがあります。この人にもこの先いくつもの困難が待っていて、もしかしたら私と同じことに思い悩むのかもしれない。これから楽しいこととか、バカみたいにしんどいこととかがたくさんあって、そこには人生ワンダーランドが広がっていて、最終的には私が知らない、何か別の世界にたどり着く。

すごいね……頑張ってね……という気持ちになります。人間はお互いに相当仲が良かったとしても、人の人生は人の人生なので、そこまで干渉することはできません。見守って、応援することができるだけです。

あの人の人生が、みなさんの人生が、この先、幸多いものでありますように。

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