人間ごとに適切な距離感がある

言葉にしてみるとごく常識的なことだと思いますが、人間同士の相性は「どの程度まで仲良くなれるか」に表れます。

これがどういうことかというと、うっかりそのラインを超えてしまったときには、人間関係というのは破綻するということです。どんなに親しい間柄であっても、踏み込んでほしくない部分はあると思うので、「あらゆる人間関係は、近すぎると破綻する」と言ってもいいかも知れません。

友達になるようなタイプではないけど、職場の仲間としては十分にうまくやっていけるという人がいますね。友達にはなれるけど恋人にはなれないとか、恋人にはなれるけど夫婦にはなれないといったこともあるでしょう。

誰にでもときどきあることですが、特定の誰かを好きになって、その人に強く執着してしまうことがあります。そうなると適切な距離感を超えたものを求めてしまうことが多いので、もう少し距離があったら長く続いたかもしれないと思うようなケースでも、関係が終わってしまうことがあります。まあ、恋人になれないなら顔も忘れたほうがマシだという人もいるかもしれませんが、ある程度まで相性がよかったということは事実であることも多いので、ちょっともったいない場合もあります。

いわゆる「距離感がバグっている人」というのは、今現在の現実の距離感と、これから構築可能な距離感をうまく認識できていないという場合に起こります。よくあるのは、近すぎるものを求めて依存的になったりする人ですね。

たまにですが、逆に遠すぎる人もいます。学校や職場等で、もう少し気軽に接してもいいんじゃないかと相手は思っているのに、近づかないでほしいというオーラを発していたりする人がそうです。誰だって人と距離を取る自由は持っているので、これについて事情を知らない人がとやかく言うのもいけませんが、やっぱり人間関係をうまく築かずに人が幸せに生きるのって難しいことだと思うので、もう少し近づくということをしてもいいんじゃないかな〜と思うこともあります。まあ、「もっと打ち解けろよ〜」っていうのは完全におっさんムーブなので、気をつける必要はあります。

人間関係に関しては、「境界線」とか「アサーション」みたいな心理的な概念を勉強するのもいいですが(知らない人はぐぐってみてね)、とにかく場数を踏んで経験と勘でなんとかしていくしかないみたいな部分もあります。距離感については、おそらく主に経験と勘に属することでしょう。

恋人や家族といった近しい距離感から、顔見知りや職場の仲間といった程度まで、人間関係にはさまざまな距離感があって、それぞれにおいてうまく関係を回していく力が求められます。上手に人間関係をやっていくスキルを身につけていきたいですね。

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