ブラックホールに気をつけろ

ときどき「さみしいおばけ」もしくは「かまっておばけ」とも呼べる人がいます。彼らは急速に接近してきて親密さを求めるので、経験したことのある人なら、少し接した時点で何らかのセンサーが働くはずです。

こうした人たちは無限の愛情と無限の関心を要求していて、決して満足することがありません。あなたが何かエネルギーを注いだとしても、それはすぐに消えてなくなるし、次第にもっともっとと要求されることになります。彼らは自分自身の中にある穴ぼこに関心があって、目の前にいるあなたに関心があるわけではないので、そこで重要なのは、自分の穴を埋めるためにあなたが役に立つかのかどうかということだけです。これは相手を単なる道具もしくはエネルギー源として利用することであって、人間らしい関係というものは何もありません。

人は助け合って生きていくものですが、助け合うということには自分の足で立てることが大前提です。転んだ人に手を貸すことはできますが、自分の足で立つつもりがない人を、誰かが永久に支え続けてあげることはできません。こうした人を支えようとする試みは、通常は徒労に終わります。

虐待を受けた児童を保護する施設の職員は、子どもたちとの信頼関係を築くことに大変な努力と技術を必要とすると聞いたことがあります。おそらく「おばけ」たちの過去にも何か事情があって、これは自己責任論で簡単に切り捨てていい問題ではないのでしょう。

ただ、私たち普通の人間にはやはり「おばけ」たちと無制限に付き合うことはできませんし、一線を引いて付き合うということが必要になるのではないかなと思います。

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