情報を集めたければ情報を発信する

発想の転換だ!

何か新しいことを始めるとき、「情報を集めたければ情報を発信しろ」という考え方があります。何か特定の技術を学んでスマホアプリを作りたいとか、留学に備えてフランス語の会話と読み書きを身につけたいといったときですね。もっと砕けた話、ラーメンの名店の食べ歩きを本格的にやろうといったことでもいいです。

このようなときは、SNSのアカウントやブログなどを作って「私はこういうことをやりたいので、やったことを書きます!」と宣言してしまうんです。文章が拙くても、内容が不十分でもいいので、とにかく情報発信するということを続けていきます。すると面白いもので、同じ分野に興味のある人が必ず集まってきます。そしてそこで出会える人の多くは、あなたよりもたくさん知識や経験を持っています。

その人は既にその分野の上級者で、あなたの情報そのものを強く求めているわけではないかもしれません。しかし、それでも人は集まってくるんです。人間には仲間を求める気持ちがあり、何か人の役に立ちたい、人を助けたいという気持ちを潜在的に持っています。助けたいという気持ちは、自分の好きなものを好きな人に対しては強く起こりますし、もしその分野がマイナーなものであれば、仲間意識はさらに強力なものになります。そうした人たちは、あなたに惜しみなく情報を与えてくれるようになります。

人は助けたいという気持ちを持っている

私自身の経験で例を挙げてみます。私はアイルランドの伝統音楽で使用されている、コンサーティーナという楽器のアマチュア演奏者です。多くの人は、イギリスの隣にあるアイルランドという国で伝統音楽がすごく盛んなことを知らないでしょうし、コンサーティーナという楽器の名前を聞いたこともないでしょう。本格的な楽器であれば海外からの購入が必須で、何か問題が起これば自分で分解して修理する必要に迫られることがあるにも関わらず、ネット上でかろうじて手に入る情報のほとんどは英語です。

そんな中で、初心者の私を大いに助けてくれたのは、10年どころではない経験ととんでもなく深い知識を持っている上級者の方の存在でした。たまたま私がSNSで発信した情報を拾ってくれて、こちらの存在に興味を持っていただけたのです。元々、アイルランド音楽のコミュニティというのは人と人との繋がりが強いので、直接どこかに集まった上での情報交換や助け合いはよくあることなのですが、ネットでの繋がりがなければ、何かちょっとしたトラブルや疑問が起こるたびに、すぐに的確な情報をいただけるということは起こり得なかったと思います。

どの世界でも、経験者や上級者という人たちのほとんどは、誰かに助けられてそこまで来たのだという自覚を持っています。そうなると自然な流れで、今度は誰かにお返しをしようという気持ちになります。私自身もそうで、もし自分の好きな分野でこれから何かをやろうとしている人が情報発信をしていたら、私は進んで興味を持つし、何か手助けできることがあるならそうするでしょう。

今すぐ始めよう

情報発信を行うことには他にもメリットがあって、それは自分が苦労して何かをやってきたという記録を残すことです。これもいつか、ひとつの懐かしい財産になります。また、やったことを書き表すというのは自分が前進しているという客観的な感触を与えてくれますし、それはさらなるモチベーションにも繋がります。また、「やる」と宣言して、人がそれを見ているという状況を作ることは、挫折の予防にもなります。

せっかくネット全盛の時代に生きているのですから、何かをやりたいのなら、それを発信して、いろいろな人と繋がっていきましょう。きっと楽しくなりますよ。

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