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言わなければ伝わらない、というのは人間関係の大原則です。何か仲たがいしそうだったり、要望があったりするときにちゃんと話し合うという点でも大切ですが、単純に相手への好意をはっきりと伝えるということもすごく重要です。
これは何も恋愛的な意味やパートナー関係に限らなくて、少数の大切な友達や、これから仲良くなりたいと思っている人に対しても適用できます。というか、恋人であればそれは定義からしてひとりの特別な存在だとわかっているはずですから(伝わっていない場合もありますが)、むしろ普段の友人関係にこそ必要なことなのかもしれません。
相手のことを大切に思っているというのは、大抵は雰囲気でわかりますが、普通の人は確信までは持っていません。人間関係というのは案外頼りなくて、脆いものです。親しくしているように見せても、何か体裁とか利害関係があって付き合っているだけだということは、残念ながらあります。利害というのは実利的なことではなくて、さりげなくマウントを取って安心するための相手として便利だとか、他に友達がいない寂しさを単に満たすだけといった種類のことです。
何ら疑いの影がささない、全面的に信頼できる相手がいるなら、それは理想的です。しかし、人間関係は綺麗にいくことばかりではないし、それなりに長く生きてきた人であれば、経験的にそれを知っています。常に少しだけ疑いの視点を持っておくというのは、大人として現実の人間関係を理解しているということだし、自分を守るために必要なことでもあります。
言葉で好意を伝えるというのは、この疑いの影を定期的にきちんと取り払うということです。自分にとっては当たり前のことであっても、言葉にすることで、それを改めてはっきりさせることが必要です。大切に思っているとか、こういうところを尊敬しているとか、何年前のあのことに今でも感謝しているだとか、ポジティブに感じていることは何でも具体的に伝えるといいです。
たまに会う程度の友達なら、会うたびにでも言ったほうがいいです。いちいち言いましょう。前に伝えたことでも、何回でも伝えましょう。なるべく別れ際とかにさらりと言えるようになるといいと思います。会ってくれてありがとうとか、いつも話を聴いてくれてありがとうとか、その程度のことでもいいです。
みんなが愛情と関心を求めています。あなたと同じです。自分がそうされて嬉しいと感じるなら、相手にもそれをしてあげたほうがいいです。
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