いつだってベストを尽くしている

自分はいつだってベストを尽くしている、と意識しておくのが肝心です。

人生をよりよくしようと思ったら、反省とか見直しといった作業はときどき必要になりますが、後悔というのはなくてもいいものです。反省は未来のために行われますが、後悔とは既に存在しない過去に囚われることであり、それはという時間を台無しにしてしまいます。

宝くじの当選番号が発表されたあとに「その番号だけを買っておけばよかった」と思う人はいませんよね。競馬場でレースが終わったあとに、「あの馬券を買っておけばよかった」という悔しさが起こることはあるにはあるかもしれませんが、まさか現実に未来を知った上でそれを買うことができたとは思っていないはずです。

「未来について知ることはできない」という当たり前の現実があって、人間には「すべてを知ることはできない」という限界もあるので、そこから必然的に「判断を下すための情報が十分にない状態で判断しなければならない」という状況が生まれます。宝くじに関して言えば、その結果が不明であるということは誰の目にも明らかなので、よほどおかしな人でない限り「こうすればよかったのに」と思うことはありません。

しかし、新卒で就職先を選ぶのに失敗しただとか、結婚したパートナーの家族間で見せる人間性に問題があったということに関しては、人は同じように考えることができません。いつでもそのとき手に入る情報をもとに慎重に判断していて、その時点で未来の失敗を完全に予測することはできなかったはずなのに、人は「あのときああすればよかったのに」という感情に囚われてしまいがちです。

テストがあることを知っていたのに勉強しなかったので後悔している、という学生がいたのなら、それはちょっと改善したほうがいいことです。しかし、大人が普通に直面する大きな後悔というのは、そういう種類のものではないんです。あなたはベストを尽くしていたけど、それでも失敗した。世の中ではそういうことがよく起こります。

人生は難しいので、いつでも頑張りが必要とされます。仮に十分に頑張れなかったとしても、それは普段頑張っていることでエネルギーが足りなかったということですから、全体として見ればやはり頑張っているんです。そういう事実がある以上、自分を責めるということは本来はしなくてもいいことのはずです。

いつでもベストを尽くしている自分を認めてあげましょう。

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