就活なんて茶番ですよ

「大学での専攻と志望している分野が異なるのは何故ですか?」

「知らねーよ、お前は人事学部採用学科を卒業したのかよ」

出典不明

私は若い頃ってけっこうバカだったので、「弊社が第一志望ですか?」という質問に「いえ、第二志望です!」と元気に答えてしまって激詰めされた経験があります。世の中では「嘘をついてはいけない」っていうのは嘘なんです。大人は嘘つきです。嘘つき! お前ら全員嘘つきだ!!

これと同じときの話で、少し選考が進んだ時点だったので社長が出てきて、この社長が全然授業を受ける気のないヤンキーみたいなズルっとした姿勢でパイプ椅子に座ったことを覚えています。これは普通のビジネスの場での礼儀という観点で見るとかなりあり得ない状況で、さすがに当時のバカだった私でも学生や若者をナメてる人の下で働きたいとは思わなかったですから、そのまま選考は辞退しました。

たぶんもうみんな気づいていると思いますが、就活というのは茶番です。これは有名企業ばかりに応募を集中してしまう学生の側にも多少の問題はあるのですが、若いうちは世の中の会社のことや産業の仕組みなんてほとんど知らないし、ある程度は仕方がないことです。日本は解雇規制が強いという背景もあって、ほんの数回の面接やペーパーテストでこの先ずっと会社に居座るかもしれない人間のポテンシャルや人間性を見極めるというのは、企業にとって間違いなく難易度の高い仕事です。だから人事の人も苦労しているとは思います。

でも、中途採用者の面接となるとここまで茶番感はないんですよね。けっこう現実に基づいて淡々と選考が行われているような印象があります。となると、あれは一回しかない新卒カードを手に真剣に空回りする無数の学生たちと、内定辞退に怯えながら学生たちの誇大アピールを吟味し続ける人事軍団との相互作用によって発生しているのでしょうか? 何故シューカツという失敗した発酵食品のような文化が誕生してしまったのか? よくわかりません。

将来にわたってどこでどのような仕事をするのかというのは、明らかに簡単に決められることではないので、これは苦労するでしょうし、人生において必要な苦労でもあります。ただ、それは自分の職業人生について真剣に考えるべきというだけであって、茶番を真剣に受け取るべきという意味とは違います。まあ、私はもういい大人になって離れた場所から見ているので、言うは易しというやつで、現実に悩んでいる学生はそこまではっきり割り切れないですよね。本当に大変だと思います。

そもそも初めてやることを上手にこなせる人というのは存在しない上に、学生たちは「一回失敗したらアウト」という強いプレッシャーを抱えています。うーんでも、アウトなんてことはないですよ。人は誰でもたくさん失敗しながら生きているもので、社会はそこまで残酷ではないです。

これを読んでいる人に就活中の大学生がいたら、どうか肩の力を抜いて就活というものに向かってほしいなと思います。頑張ってたらなんとかなりますから、そんなに心配しないでください。

関連記事

少し離れた話