発達障害と就職: 障害者雇用の困難、就労継続の困難…

障害のある人はその障害に応じて特有の苦労を抱えるものですが、発達障害当事者の就職というのもまた難しい問題であります。ここでは私自身の経験も交えて、発達障害当事者の就職について語ってみたいと思います。

意外な大敵の「疲れやすさ」

以前、私は「発達障害の二次障害によるうつ病とその対処」という記事を書いたことがあります。発達障害の持つ性質は、ふつうの人にとっては何でもない「日常生活」こそが当事者をじわじわと疲れさせるものであり、その疲れの蓄積がうつ病等を引き起こすことがあると述べたものでした。

発達障害当事者が持つ特有の「疲れやすさ」については、この障害の代表的な症状として語られることは少ないまでも、近年は当事者の事情をよく知る支援者などによって少しずつ明らかにされてきたところだと思います。

おそらく周囲の人も「コミュニケーションが苦手」と言えば多少は想像ができますが、この「異常な疲れやすさ」については想像が難しいのではないでしょうか。

たとえば私は暗くなってから外出などをして人と会ったりすると、神経が疲れてしまってざわざわとして落ち着かず、その日は夜遅くまで眠れなくなることが普通です。夜眠れないと翌日はてきめんに調子が悪くなるので、夜間の外出は基本的にNGです。

遊びに出かける場合ですらそれですから、夜遅くまでの残業などは当然できません。残念ながら日本の会社はいまだに残業体質から抜け出せていないところが多いですから、この残業をめぐって体調を崩して困っている当事者というのは一定数いるのではないでしょうか。

障害者雇用の難しさ

もしもあなたが障害者手帳を持っているのなら、企業に障害者雇用枠で就職することができます。障害の内容をオープンにして、企業に一定の配慮を求めながら働くことができるのです。

しかしこれが、なかなか難しいのですね。「配慮を求めることができる」。具体的には何を配慮してもらえばいいのでしょうか? 当事者のみなさん、この質問にうまく答えられますか? 私は正直言って、うまく答えられないです。

たとえば先ほど出た残業のことなどは比較的わかりやすい例です。残業を月あたり何時間以下にしてほしいと言うのなら、数字で定義できることですし、企業の方も比較的対応しやすいでしょう。

しかし、「コミュニケーションが苦手」という点に関しては? 一体周囲はどんな配慮をすればいいというのでしょうか? 障害者雇用とはいえ、企業が人を雇うというのにはそれなりの選別の過程があり、企業は分かりやすい対応のできる人材を求めているはずです。「○○という障害がある」→「しかし○○という配慮があれば他の人と同じように働くことができる」というストーリーが求められるわけですね。その説明責任は、企業への応募者である当事者の側にあります。

私は「言葉で説明できるような分かりやすい対処法があるなら、こんな苦労はしていない」というのが、大方の当事者の思いなのではないかと思います。

働き続けることの難しさ

先に述べた「疲れやすさ」と、職場でのコミュニケーションなどのさまざまなストレス要因によって、仕事を続けるということは発達障害当事者にとって大変な困難となります。ある人はもう限界だと思って自分から仕事を辞めてしまうでしょうし、またある人は限界を超えて頑張ってしまって身体を壊してしまい、やはりそれで仕事を辞めてしまうかもしれません。

一般的なうつ病の人向けにはリワークというものがありますし、精神障害を持つ人全般に対しては就労移行支援、就労定着支援といった福祉サービスもあります。私としては、医療・福祉関係者の努力はとてもよく分かるのですが…これらの支援が発達障害者をうまく支えられているかというと、これもまた微妙なところかもしれないと思います。

疲れやすさ、コミュニケーションの不器用さというのは簡単に何とかできるものじゃないんですね。私にはこれが何らかのトレーニングで強く改善するとはあまり思えないです。学生がビジネスマナーを身につけるのと同じような意味でのソーシャルスキルの向上はあり得るでしょう。しかし、発達障害の当事者にとって健常者の世界というのは、依然として「異世界」のままです。

私たちはこの「異世界」に適応しようと日々奮闘しているんですね。職場への適応は異世界への適応です。これをうまくこなせている当事者がどの程度いるのか…少なくとも休日にどこかへ遊びに出かけたりする程度の元気さを持って生活できている人がどの程度いるのか、私は常々疑問に思っています。

おわりに

なんだか景気の悪い話になってしまいました。しかし、これが発達障害当事者のリアルです。魔法のように状況が好転することはおそらくないでしょう。

同じように世界と闘ってらっしゃるみなさんに対しては、どうか負けないで、と思いますね。負けないで生き続けること。とにかくそれだけを祈っています。

Paul Westerberg – Eventually (1996)

ザ・リプレイスメンツ The Replacements のフロントマンとして知られるポール・ウェスターバーグ Paul Westerberg の1996年の作品。

リプレイスメンツの解散は1991年、ウェスターバーグのソロの1stは「14 Songs」(1993)で、本作はソロの2ndアルバムに当たります。

これは90年代オルタナティブ・ロックの名盤なのではないでしょうか。リプレイスメンツが「All Shook Down」(1990)で見せた大人のロックをさらに進化させたようなサウンドとなっています。

全体的には明るく穏やかなギター・ロックのサウンドです。ウェスターバーグの抜群のソングライティングのセンスはそのままに、肩の力の抜けたヴォーカルが聴かれます。

Tr.9「Trumpet Clip」ではヴォーカルが笑っちゃってる部分がありますね。歌ってて楽しかったんでしょうか。続くTr.10「Angels Walk」は控えめに入るピアノの旋律が美しく感動的なトラック。

リプレイスメンツが好きなら本作はマストなんじゃないでしょうか。良いアルバムです。

【Track Listing】

  1. These Are the Days
  2. Century
  3. Love Untold
  4. Ain’t Got Me
  5. You’ve Had It with You
  6. MamaDaddyDid
  7. Hide n Seekin’
  8. Once Around the Weekend
  9. Trumpet Clip
  10. Angels Walk
  11. Good Day
  12. Time Flies Tomorrow

発達障害の二次障害によるうつ病とその対処

ASD(自閉症スペクトラム症)やADHD(注意欠陥・多動性障害)に代表される発達障害ですが、発達障害を抱えた成人には二次障害という更なる重荷を抱えた人が少なくありません。ここではそんな大人の発達障害の二次障害について書いてみたいと思います。

なおこの記事の筆者は精神科医療の専門家ではありませんが、ASD当事者であり、長年に渡り実際に二次障害に苦しめられてきたという点を付記しておきます。

二次障害はなぜ起こるのか

二次障害とはその字面のとおり、発達障害という一次的な(ベースとなる)障害に付随して、二次的に起きてきた障害のことを言います。代表的なものとしては、憂鬱感や意欲・思考力の低下、希死念慮(死にたいと思うこと)といった症状の出る「うつ病」があります。この記事では、代表的なケースとしてうつ病に絞って記述したいと思います。

ご存知のとおり、発達障害を抱えた人は社会生活を送る上でさまざまな困難にぶつかります。良好な対人関係を結ぶのが難しいこと、自らの疲労に気づかずに過集中(物事に過剰に集中・没頭)してしまうこと、周囲のさまざまな刺激に敏感なことなどです。こうした性質は「ふつうの社会生活」を送るだけでも、本人にとって過大な負担となることが珍しくありません。

一般的に、うつ病になる人が職業上の「働き過ぎ」によるものが多いことはよく知られているでしょう。発達障害を持つ人の生活は、「ふつうの生活」を送る上でのさまざまな困難から、頭と心を「働き過ぎ」の状態にせざるを得ないという事情があるのです。言い換えれば、発達障害の当事者は非常に「疲れやすい」のです。

職場にうまく馴染めない。人の言っていることの意図がよく読み取れずに苦労する。家事を段取りよく行うことができない。こうした日常生活での疲れやストレスが、溜まりに溜まって二次障害というものを引き起こすことがあるのです。

二次障害への対処の困難さ

一般にうつ病は「服薬と休養」で良くなると言われています。それは発達障害を持つ人にとっても間違いではありません。しかし、このうつ病という病気が「二次的なもの」であることを思い出してください。

発達障害を持たない人であれば、一次的な原因へのアプローチはさまざまな方法があるでしょう。職場の仕事量が過大だったのなら、仕事量を調整するよう会社の人事部・上司と相談する。ネガティブな考え方が主な原因と思われるのなら、認知行動療法などを受けてみる。職場が肌に合わないのなら、転職を考えてみるなどです。

しかし、発達障害の人が持つ一次的な原因は、生まれ持った脳そのものが抱えている性質であります。確かにSST(ソーシャルスキル・トレーニング)などによって、対人関係のスキルを後天的に身につけることはある程度まで可能でしょう。しかし、刺激への過敏さや他者の感情(集団の空気)の読み取りにくさなど、根本的な解決が難しい問題は数多くあります。

そのため、仕事を続ける上でうつ病で休職をしてしまい、服薬と休養でいったんは回復したものの、根本的な解決ができないために、職場に復帰してもまた体調を崩してしまう…といった具合に、二次障害の繰り返しを起こしてしまうケースが少なくないのです。

場合によってはそれで職を転々としてしまったり、状況が悪ければ働くことそのものを諦めてしまうという人もいるかもしれません。

経済面と自尊心

よほど財産に恵まれてでもいない限り、人は働かなければ生きてはいけません。生きていくにはお金が必要です。また、健康な人はあまり意識しないかもしれませんが、多くの人は働いて他者の役に立つことで健全な自尊心を維持しています。働くことの意味には「お金を得ること」とそこから「生きる意味を引き出すこと」、この二つがあるのです。

発達障害による二次障害で起こることは、それら二つの阻害、つまり経済的な困難自尊心の低下です。発達障害を抱えて生きる人は、お金と自尊心、この二つを得ることに非常に困難を覚えるわけです。

これは非常に難しい問題です。私はこれに対して単純明快な答えを持ち合わせていませんし、そのような解決策はおそらく存在しないでしょう。精神科医療や福祉の世界で、このような問題の解決に向けて努力を続けている方はたくさんいると思いますが、誰かが綺麗さっぱりとこの問題を片付けてくれることは、おそらく期待できないのです。

私たち発達障害の当事者は、自力でサバイバルしていく必要があります。厳しいですが、これが現実です。

ここより先は、発達障害の当事者がサバイバルしていく上で役に立つであろう知識について記述したいと思います。

他者の助けを得ること

まずはこれが第一です。あなたの家族、友人、職場の関係者、医療関係者、福祉関係者、考えられるあらゆる人に助けを求めてください。これは当事者にとって非常に難しい作業であることを私は理解しています。過剰に依存したり迷惑をかけたりするのではなく、社会人としての適切な距離感を持った上で、それでも助けを求めるのです

たとえば職場の人であれば、「仕事のこういう部分が辛い」といったことを何らかの方法で発信できないでしょうか。相談に乗ってくれそうな同僚はいませんか。あるいは、こういう考え方はできないでしょうか。「部下の仕事上の問題を解決するよう努めるのは上司の仕事の一部なのだから、上司に相談してみよう」と。

あなたのご両親はあなたの経済的な苦しみを知っているでしょうか。場合によっては、経済的な援助を引き受けてくれるかもしれません。ひょっとしたら、ご両親との関係がよくないでしょうか。それでも、一般的に親は子に対して何かしたいと思うものです。

信頼できる友達はいませんか。私は当事者ですから、「友達なんていない」と言われても別に驚きません。もし友達がいる方は、頼ってみてください。苦しいことがあったら相談してみてください。用事もないのにメールをするといったことは苦手でしょうか。苦手でも、やってみる価値はあります。人を助けようと思うのは人の自然な本能です。誰かがあなたを助けてくれる可能性があります

もしかしたらあなたは人間に対して絶望していないでしょうか。もしそうだとしたら、今が頑張るときです。人間を信じてください

さまざまな制度の利用

発達障害の当事者がこの社会をサバイバルしていく上で、さまざまな制度の利用もぜひとも行うべきことの一つです。残念ながら、ほとんどの福祉制度は困っている人に自動的に届けられるものではありません。自分で申請した人のみが受け取ることができます

障害者手帳はお持ちでしょうか。発達障害ないし二次障害で長く通院を行なっているようでしたら、主治医の先生が診断書を書いてくれる可能性があります。障害者手帳には、公共交通機関の無料パスなど、経済的負担を和らげてくれる制度が付随している場合があります。また就職にあたっては障害者雇用の採用枠を受けられるようになるため、職場から障害に配慮してもらいながら働くことができるようになるかもしれません。また失業保険の給付期間が長くなるなどのメリットもあります。

また精神科への通院では、自立支援医療制度というものがあります。通院した際に窓口で払う自己負担額が通常の3割から1割になるという制度です。通院期間が長い場合は、診断書を書いてもらえないか主治医の先生に相談してみるといいでしょう。

最後の手段として、障害年金という手段もあります。これは制度がかなり複雑なので、社会保険労務士に相談する必要が出てくるかもしれません。しかしどうしても経済的に立ち行かなくなった場合、障害年金でどうにか生活が繋がっていく可能性があります。こちらも医師の診断書が必要になる制度なので、主治医の先生に障害年金が受給できそうか相談してみるとよいでしょう。

おわりに

発達障害を抱えながら生きていくということは本当に困難なことです。しかし、絶望しないで生きていきましょう。

私たちは多くのものを奪われて生きているように感じるかもしれませんが、人として幸せに生きること自体を奪われてしまったわけでは決してありません。生きていきましょう

幸せに生きるコツ

幸せに生きることは万人にとっての人生のテーマだと思います。一つの記事にするには少し大きすぎるテーマのような気もしますが、思いつくことをつらつらと書いてみます。

人間関係を大切にしよう

マイナスの面を見れば、人間関係は私たちが日々感じるストレスの源泉でもあります。しかし、人間を救ってくれるのは人間だけです。私たちに生きる意味、生きる実感を与えてくれるのは、他ならぬ周りの人間との関係です。あなたにとって大切な人を大切にしましょう。

仕事が忙しくて人間関係がおろそかになっていませんか。ときどき旧知の友人に連絡を取ってみましょう。世の中には自分から連絡をする人より連絡を待っている人のほうが圧倒的に多いのです。自分から縁を繋いでいってみましょう。

行きつけのお店や、趣味のサークルなどの居場所を見つけてみましょう。大人になってから新たに友達をつくるのはなかなか大変です。何らかの場所や趣味など、共通項があったほうがいいでしょう。

私たちの時間は有限です。付き合うすべての人を同じように大切にするということはできませんし、そうする必要もありません。友人関係は時とともに変わっていくかもしれません。離れていく関係もあれば、新たに近づく関係もあるでしょう。そのときどきで、自分にとって大切な人を大切にしましょう。

ひとりの時間も大切にしよう

私たちの時間は有限だと述べました。ひとりの時間もまた、私たちの人生を豊かにしていく上で不可欠なものです。

日々忙しく予定を詰め込んでしまってはいませんか。周りの人々の意見に流されてしまってはいませんか。そんなときにふと、自分について振り返る時間を持つことはとても大切なことです。

他人は大切な存在です。しかし同時に、人間は皆ひとりであるという事実についても忘れてはなりません。他人は他人で、別の人間です。他人があなたに生きてほしいと思う人生ではなく、あなた自身が生きたいと思う人生を送りましょう。

日々の楽しみをたくさん持とう

人生全体を何か一つのもので満たすということはできません。仕事一筋の人生を送るとしたら、いつかあなたの心は悲鳴を上げるでしょう。趣味にしても、一つのものだけに没頭しすぎるといつかは飽きが来てしまうものです。あなたは複数の人生を生きる必要があります

人生全体を一時の幸せで満たすことはできません。仕事上の出世や、結婚などの人生のイベントは、一時的にはあなたに幸せをもたらすかもしれません。しかし、人間は慣れる動物です。特別だった経験も、いつかは平凡な日常になります。あなたは常に変化し続ける必要があります

趣味や楽しみをたくさん持つのはよい方法です。私は楽器の演奏、投資、ブログの執筆を趣味としています。散歩することや写真を撮ることも楽しみです。社会福祉や人間の心理について知ることにも興味があります。こうした外の世界への関心は、幅が広ければ広いほどよいでしょう。私は元気があれば楽器を弾きますし、元気がなければ散歩で気を紛らわせることができます。もし私に一つの関心や趣味しかなかったら、どこかで行き詰まりを感じてしまうでしょう。

趣味といっても何も大層なものでなくてもよいのです。ウォーキングを始めてみる。料理を始めてみる。とりあえず試してみるという姿勢は、幸せを掴む上で有利に働くものだと思います。

おわりに

まだまだたくさんある気がしますが、このあたりで終わることとします。最後に、幸せを諦めないようにしましょう。世の中には人生に悲観的な人もいます。冷笑的な人もいます。人生には確かにつらいことや、その意味を疑ってしまうようなことがたくさんあります。

負けないでいきましょう。あなたが人生で少しでも多くの幸せを掴んでいかれることを願っています。

投資初心者におすすめのインデックスファンド

インデックスファンドの選択でお悩みでしょうか? 世の中には本当にたくさんのファンドがありますからね。迷ってしまうのも無理もないと思います。

あなたがこの記事にたどり着いたということは、おそらくあなたは既にインデックス投資に興味がおありでしょう。おめでとうございます。欲望の渦巻く混沌とした投資の世界で、インデックス投資という合理的な道にたどり着いたからには、もう半分勝ったようなものです。

私は以前、「株式投資入門: 簡単で確実な投資の方法とは」という記事で、インデックス投資の有用性と要点のまとめについて書いたことがあります。インデックスファンドの選択については、過去の記事でも触れるところがありましたが、今回改めて書いてみたいと思います。

要点のおさらい その1

さて、インデックスファンドを買うにあたっては、ファンド自体の選択とそれ以外に選択すべきことがあって、案外「それ以外」のことが重要だったりします。最初に「それ以外」のことからおさらいしていきましょう。

まず、税金を安く抑えること。NISA等の税制優遇の受けられる口座は開きましたか? 面倒でも早めに行なっておきましょう。2021年現在で、株式の売却益にかかる税金は約20%です。この税金の効果はあとになって何十万円、もしくは何百万円のリターンの差となって出てくるかもしれません。

次に、ファンド自体の選択について考えることです。ここで考えるべきなのは、全世界に幅広く分散された株式インデックスを選択することと、手数料や信託報酬を低く抑えることの2点です。

では、この2点を満たすインデックスファンドには何があるのでしょうか。

おすすめは eMAXIS Slim 全世界株式

この記事は詳細なデータ分析の記事ではないので、答えをズバリ書いてしまいます。三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・ カントリー)」がおすすめです。全世界の先進国と新興国に幅広く分散された株式インデックスで、ノーロード(販売手数料が無料)で、信託報酬もトップクラスの低さを誇っています。

信託報酬等の詳細なデータが気になる方は、「インデックスファンド 比較 全世界」などでGoogle検索を行ってみるといいでしょう。eMAXIS Slimは知名度もあるファンドなので、より詳細なデータの比較記事が出てくると思います。

さて、先ほどファンド選択には「それ以外」に考えることがあると述べました。ここから先はその続きです。どれもインデックス投資においては重要なことですので、ここでおさらいしておきましょう。

要点のおさらい その2

インデックスファンドの買付においては、毎月定額を積み立てるようにしましょう。ドルコスト平均法と呼ばれる方法です。おそらくあなたのお使いの証券会社で、インデックスファンドの買付を行う際に「積立」という方法が選択できると思います。「積立」を選択して、放っておいても毎月の投資が行われるよう自動化しましょう。

そしてインデックス投資を最大限有効化するには長期保有が必要です。購入したインデックスファンドは可能な限り売却せずに、長期間保有し続けましょう。これにより複利の効果が働いていきます。複利については私の過去に書いた記事で「インデックス投資と複利効果のシミュレーション」という記事があるので、そちらも参照してみてください。

ここまででインデックスファンドの購入手続きが済んだら、ときどき評価額をチェックしてみましょう。評価額には一喜一憂しないことです。上がっていく評価額を見ながらニヤニヤするのもよいですが、ときにはパフォーマンスが悪く評価損が発生しているかもしれません。過去のデータを見れば、世界市場は数年間に渡ってパフォーマンスが悪くなることも普通に起こり得ます。しかし長期で見れば、低迷していた株価もいつかは回復していきます。だからあまり気にしないことです。

おわりに

インデックスファンドを買う決心ができましたか? 積立購入の設定を終えることができたでしょうか。

本文中で触れた複利の効果の記事のように、インデックス投資を長期間に渡って行うことにより得られるリターンには恐るべきものがあります。慣れない方は少額からでもいいので、とにかく始めてみましょう。最初のうちは怖いかもしれませんが、インデックス投資は私たちの資産形成の味方です。

この記事を通じてあなたが経済的な豊かさ、ひいては人生の豊かさを手にしていただけることを願っています。

私の投資成績 (2021年版)

私は投資、特に株式のインデックス投資に関する記事を数多く書いています。興味のある方は当ブログの「投資」タグをぜひご覧ください。

さて、いろいろ書いているあなたの実際の投資成績はどうなのか? という質問がある方もいるかもしれませんね。この記事では私の投資成績の実態を書いてみようと思います。

ポートフォリオについて

現在の私のポートフォリオの中心にあるのは全世界株式のインデックスファンドです。具体的には、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・ カントリー)」をメインにしています。

さらに、全世界株式よりも米国株式のほうがパフォーマンスが高いという現状を考えて、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」にも数十%程度を振り分けています。

現在、毎月の積立を行なっているのは上記2つのインデックスファンドのみです。

成績について

では、私の実際の投資成績を見ていってみましょう。各年の末日を基準に、投資した元本の累計、評価額、含み益のパーセンテージを記述したいと思います。

ここで具体的に何百万円だとかいう数字を書くのはちょっと生々しすぎるので、実際の金額にある適当な係数Xを掛けた値を書くとします。以下の表の数字の単位は「万円」として読むことができますが、実際には私の懐具合をナイショにするために、ある係数Xが掛かっていることをご理解ください。

元本評価額含み益
2015172168-1.91%
2016330349+6.00%
2017512599+17.07%
2018560576+2.96%
2019670832+24.19%
20201,0401,304+27.93%

…とまあ、こんな感じですね。2020年は少しまとまったお金を投資用資金に切り替えたのですが、やや高値のときに集中投下しすぎてしまって、下落相場での買付を行えなかったのが反省点です。

2020年末時点での含み益は+27.93%。まずまず良い成績だと思います。私がインデックス投資を本格的に始めたのは2015年の頭ですから、2020年を終えた時点でちょうど6年間、インデックス投資の世界にいたことになります。

2021年も淡々と積立を行なっていく所存です。みなさんも頑張っていきましょう。

投資の初心者におすすめしたい勉強法

投資の世界に限らずですが、世の中は「あれをしなさい」「これをしなさい」という言説で溢れています。ある人はあっちに行けと言い、ある人はこっちに行けといいます。それぞれの言うことが矛盾しているなんてことはザラです。

特に投資ということには人間の欲がからんでくるため余計に難しいのです。より多く儲けられるという話があったら、そちらに目が向いてしまうのは人間の悲しい習性です。

あなたはどうやって投資の「正しいゴール」にたどり着くことができるのでしょうか。ここでは投資の初心者に向けて、いくつかの指針となる考え方を示したいと思います。

投資の世界は勉強の世界

まず、あなたがこれから踏み出す投資の世界というのは勉強の世界だということをよく覚えておきましょう。あなたはおそらく少額の投資から始めるでしょうが、もし本格的に投資を行うのでしたら、あなたは数百万円、ひょっとしたら数千万円というお金をリスクにさらすことになります。

そしてその場合、ときには数十万円、数百万円といった額の評価損、いわゆる元本割れというものも経験するかもしれません。そのときあなたを不必要な動揺から守り、安心させてくれるのは、自分の血肉になるまで勉強した、確固たる根拠のある知識だけです。ニュースはあなたの不安を煽るかもしれません。より確実に儲かるといった、特に根拠のない儲け話があなたを誘惑するかもしれません。

投資の世界は心理の世界

これは同時に、投資の世界が勉強の世界であると同時に心理の世界であることを示しています。「1,000万円を投資したら、評価額が800万円になった」と想像してみてください。この想像上の「200万円の評価損」は、本当に現実に「200万円の評価損」を経験した際の痛み、動揺、混乱とはまったく異なります。

現実にリスクというものの痛みに対処するには、あなたは現実に痛みを経験する必要があります。言葉の上で言えることと、実際にできることは異なります。投資を少額から徐々に行なっていくことが推奨されるのはこのためです。少額で少しずつ成功しながら、また少しずつ失敗しながら、徐々に慣らしていくのです。

確固たる根拠に基づいた知識を習得することと、それを実践できる安定した心理を身につけること。知識とメンタルは投資を行なっていく上で両輪です

勉強すべきは株式のインデックス投資

さて、世の中には「この株を買いなさい」「不動産投資を行いなさい」「ゴールドを買いなさい」といったさまざまな言説があふれています。特定の何かをする方法を学ぶ前に、そもそも何をするべきかという点で意見がまったくバラバラなのです。投資の初心者は、勉強するといっても一体何を勉強すればいいのでしょうか。

投資の世界には、特殊な才能と運を必要とせず、特別大きなリスクや労力も必要としない、王道とも言える方法が存在します。それは株式のインデックス投資です。

まずは株式のインデックス投資について勉強してみてください。それ以外の「○○を買いなさい」といった言説はいったん無視して、インデックス投資の有効性についてとことん調べてみてください。その他の言説については、インデックス投資について一通り勉強したあとで調べてみればよいでしょう。

「インデックス投資について勉強してください」というのは、私から贈れる最大のギフトです。念のために言いますが、投資の世界では騙されることもあります。この記事は一個人が趣味で書いているもので、なるべく客観的な記述を心がけていますが、それでもこれを読んでいる人にとっては見ず知らずの人の書いた文章です。疑ってください。投資の世界ではそれも不可欠です。

その上で、インデックス投資の根拠についても疑ってみてください。しかし、私はお約束してもいいのですが、おそらくインデックス投資は混沌とした投資の世界の中で、あなたが最も納得できる方法である可能性が高いです。

おすすめの本は

株式のインデックス投資について勉強するとき、まずはどういった本から手に取ればいいのでしょうか。

私がおすすめしたいのは橘玲の「臆病者のための株入門」です。投資について面白おかしい話も交えながら、しかし投資の本質を押さえたすぐれた解説書で、最終的には「経済学的にもっとも正しい投資法」について解説しています。ここで言う「経済学的にもっとも正しい投資法」とは、全世界市場に分散した株式のインデックス投資のことを指しています。

もう一冊外せないのが、ジェレミー・シーゲルによる名著「株式投資」です。先に挙げた本が新書だったのに対して、こちらは少しアカデミックな本と言えます。シーゲルは株式や債券、ゴールド、現金といった各資産への投資が実際にどのようなリターンをもたらしてきたかについて、米国の過去200年以上に渡るデータをもとに分析するという恐るべき仕事をしています。この本でも、株式インデックスへの投資の有用性が非常に説得力を持って展開されています。

また私が過去に書いた記事では「株式投資入門: 簡単で確実な投資の方法とは」にインデックス投資のエッセンスをまとめています。また「インデックス投資の平均利回りはどれくらい?」の記事や「インデックス投資と複利効果のシミュレーション」の記事も参考になるでしょう。

おわりに

少しはご参考になったでしょうか。投資の世界には、あなたを惑わす情報が山のように存在しています。ここで紹介した情報をもとに、あなたがなるべく道に迷わずに投資の知識を習得していけることを望んでいます。

入門編: The Replacements の名盤を探る

アメリカのロックバンド、ザ・リプレイスメンツ The Replacements。

フロントマンはリードヴォーカルでソングライティングも行うポール・ウェスターバーグ Paul Westerberg です。初期は荒々しいパンクサウンドを聴かせていましたが、アルバムが枚数を重ねるにつれて落ち着いた大人のロックへと進化しています。

そんな彼らの名盤を3枚、セレクトしてみました。

Let It Be (1984)

1984年の3rdで、彼らを代表する名盤です。1stで見せたような激しいパンクサウンドはやや変化を見せ、激しさと落ち着きが同居しているようなアルバムとなっています。

1曲目「I Will Dare」はバスドラムの音色が曲を引っ張るという少し珍しいノリの軽快なロックナンバー。マンドリンの音色も聴こえてきます。2曲目「Favorite Thing」は勢いのあるギターとベースのフレーズから、パンク調のヴォーカルが続きます。

曲は激しい曲もあり静かな曲もありますが、全体的に不思議と詩的な印象を受けます。パンクの影響下にあるのに、どこか落ち着いた印象も受けるのはウェスターバーグのセンスによるものでしょう。

7曲目「Unsatisfied」はこのアルバムを代表する名曲で、ウェスターバーグが存在感のあるかすれ声で「I’m so, I’m so unsatisfied」と歌います。8曲目「Seen Your Video」は3分少々あるのに冒頭2分半近くがインストという面白いナンバー。12曲目「Sixteen Blue」も彼らの詩的な面がよく現れた名曲です。

Tim (1985)

1985年の4thで、サウンドの面でさらに円熟味を見せるようになった作品です。

1曲目は明るめのロックナンバー「Hold My Life」で幕を開けます。3曲目「Kiss Me On The Bus」も明るい印象。明確にというわけではないですが、どこか楽しげな曲が多いような気がしますね。

7曲目「Bastard of Young」はこのアルバムの中心に位置する名曲。9曲目「Left of the Dial」はカレッジ・ラジオについて歌った曲で、どこかノスタルジーを感じさせる曲。アコースティックナンバーの11曲目「Here Comes a Regular」でアルバムを幕を閉じます。

All Shook Down (1990)

1990年の7thで、彼らのラストアルバムでもあります。サウンドは落ち着きを見せ、完全に大人のロックになっています。

1曲目「Merry Go Round」から優しいヴォーカルで始まります。3曲目「Nobody」はアコースティックとエレキのギターの音色がうまく組み合わさったナンバー。

4曲目「Bent Out of Shape」はヴォーカルとギターが奏でるメロディの美しい曲。のちのウェスターバーグのソロ作にも通じる感触の作品です。5曲目「Sadly Beautiful」はアコギによる弾き語りにも近い雰囲気の曲で、彼らの初期の作品からは考えられない作風です。

アルバム後半にもアコースティック中心の曲が並びます。10曲目「Happy Town」はオルガンによるソロも面白い曲。アルバムのラストは「The Last」というピアノとヴォーカルによる曲で締められています。

インデックス投資の平均利回りはどれくらい?

一般的に、我々のようなふつうの人間がある程度の確実性を持ってリターンを得られる投資の方法は、株式へのインデックス投資だと言われています。市場全体に分散された株式のインデックスファンドを購入して、長期保有するという考え方ですね。

さて、株式投資の研究の名著として、ジェレミー・シーゲル教授の「株式投資」という本があります。この本は、米国において株式や債券、ゴールド、現金預金といった各資産への投資が実際にどのようなリターンをもたらしてきたかについて、過去200年以上に渡るデータをもとに分析したというものすごい本です。

この本で著者は、株式投資が長期にわたって最も安定して高いリターンを叩き出していたことを明らかにしています。

さて、端的に株式へのインデックス投資の平均利回りというのはどの程度になるのでしょうか? 本書から、米国株式の過去の利回りの記述を引用してみましょう。数字はインフレ調整後の実質利回りです。

期間実質利回り [%]
1802-18707.0
1871-19256.6
1926-20066.8
ジェレミー・シーゲル「株式投資 第4版」、2009年、日経BP社、p.11より引用

この数字を見る限りでは、過去200年間にわたる米国株式の平均利回りは6.8%程度だったと言えるようです。

年利にして数%という数字ですが、実際には長期投資を行うことで複利効果を活かすと、そのリターンは驚くべきものになります。このあたりは過去の記事「インデックス投資と複利効果のシミュレーション」にて触れました。

また、このデータはあくまで米国株式のものですが、より分散投資を徹底して全世界株式にした場合はどうなるのでしょうか。その点については過去の記事「全世界株式と米国株式、どっちがいいの?」で検証してみましたので、そちらをご参照ください。

また、この記事を読んでおられる方は既にインデックス投資への興味を持っている方だと思いますが、インデックス投資へのすすめについては過去の記事「簡単で確実な投資の方法とは」に簡単なまとめを書いています。そちらもぜひお読みいただければと思います。

インデックス投資と複利効果のシミュレーション

投資の中でも、長期に渡って株式市場のほぼ全体を保有し、複利効果で安定的に大きなリターンを狙うインデックス投資。かのアインシュタインは「複利は人類による最大の発明だ」と述べたそうです。

私は以前、インデックス投資の有用性を「簡単で確実な投資の方法とは」という記事で書いたことがあります。また、個別株等で大穴を狙うべきではないということも「アクティブ投資とパッシブ投資、どっちがいいの?」という記事にて触れました。

インデックス投資における現実的なリターンは年利にして数%(10%に届かない程度)ですが、それでも長期間保有することによって発生する複利効果の大きさには恐るべきものがあります。

では、データを見てみましょう。これから見るデータは現実の株式インデックスが過去に残したデータで、該当するインデックスファンドが存在していれば実際に実現し得るデータです。

データは全世界株式のものにしましょう。「MSCI World Index」という全世界株式のインデックスを使用するものとします。

この記事を書いている2021年2月18日時点での実際の成績を元に、「100万円を投資していたらいくらになっていたか」を期間別に見ていってみましょう。

期間 [年]平均年利 [%]リターン [万円]
111.4111
37.6125
510.9168
1012.9337
156.8268
205.9315
307.5876

30年間運用した場合は100万円が876万円になっていた計算になります。これはインデックス投資が比較的容易な投資手段であることを考えると、驚くべきリターンであると言わざるを得ません。

表の数字をよく見ると、年次のリターンのばらつきによって、必ずしも年数に対してリターンがまっすぐ伸びていくわけではありません。たとえばこの表では、10年運用していたケースより15年運用していたケースのほうがリターンが少なくなっています。これはリターンの悪かった年が追加の5年分の運用期間に含まれていたということを示しています。(2008年のリーマンショックの影響でしょう。)

リターンのばらつき、つまりリスクについてはゼロにすることはできませんが、あまり心配することはありません。ジェレミー・シーゲル教授の著書「株式投資」によると、株式のリターンは運用期間が長くなればなるほどリスク(標準偏差)の値が小さくなるという特徴を持つことが明らかにされています。

それにしても30年という期間はなかなかの期間ですね。投資を始めるのは、基本的には若ければ若いほどいいです。あなたがこの記事を読んでいるということは、投資全般や株式投資について何らかの興味があるということでしょう。できればなるべく早めに、株式のインデックス投資について勉強を始めることをおすすめします。